FUJIFILM Business Innovation Asia PacificのCIOとしてDXの取り組みをけん引するヘンリエッタ・ヨウ氏は、自身のキャリアを通じて「あること」を重視し続けているという。それは何なのか。
富士フイルムビジネスイノベーション(旧称:富士ゼロックス)の関連会社であり、アジア・オセアニア地域における各国販売会社を統括するFUJIFILM Business Innovation Asia Pacific。同社のヘンリエッタ・ヨウ氏は女性のCIO(最高情報責任者)として、自身の事業提案について関係者を説得するために、男性中心の組織の中で人一倍の努力を重ねてきた。
ヨウ氏は次のように語る。「日本人はデータを非常に重視する。私たちもデータを重視しないわけではないが、彼らはエビデンスを見たがるあまり、やや退屈な手間を増やしているように感じる。だが時間がたつにつれて、それが彼らを納得させる方法なのだと悟った」
これは、ヨウ氏がFUJIFILM Business Innovation Asia Pacificで培った約30年のキャリアの中で、克服した課題のごく一部にすぎない。
自身のキャリアを通じて、ヨウ氏は人を大切にする経営アプローチを取ってきた。これは同氏がマレーシアのサラワク州クチン出身で、地域住民同士のつながりが深い環境で育ったことが影響しているという。成果を出すこつは「異なる期待や目標を持って集まってきた全ての関係者と、真の信頼関係を築くことだ」と同氏は語る。そのためには「相手を思いやり、自分と異なる人のことを理解し、異なる文化や意見を尊重しながら、価値観と重要な目標を固く守り続けることが鍵となる」(同氏)。
ヨウ氏のアプローチは奏功している。日系企業にいる女性は“ガラスの天井”に突き当たりがちで、女性の昇進には時間がかかる。「それでも私はここで自分のキャリアを発展させる機会があったという意味で、幸運だと思う」と同氏は語る。
富士フイルムビジネスイノベーションの関連会社の中で、アジア・オセアニア地域初の女性管理職に起用されたヨウ氏は「組織内の他の女性にもチャンスが開けるよう、成果を出さなければならないというプレッシャーがある」と話す。
ヨウ氏は他の女性従業員のキャリア相談に乗り、「自分は昇進できない」と考えている女性には「個人としてのブランド確立に力を入れ、ファクトとデータを扱うことに注目する」よう促している。「チャンスが訪れたら自分の安全圏から飛び出すことを恐れてはいけない。あなた自身の直感を信じることだ」と同氏は助言する。
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