DellのPCをサブスクで使えるPCaaS「Dell PC as a Service」とは?PCaaS比較のための基礎知識【第4回】

Dellは同社製PCをサブスクリプションサービスとして利用可能にするPCaaS「Dell PC as a Service」を提供している。どのようなPCaaSなのか。主な特徴を紹介しよう。

2022年10月18日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 PCベンダーの間で、PCのサブスクリプションサービス「PCaaS」(PC as a Service)を提供する動きがある。各ベンダーはPCaaSを提供することで、ユーザー企業のPC管理負荷の軽減を狙う。

 ベンダーによってPCaaSのサービス内容は異なる。本稿は、Dell TechnologiesのPCaaSを詳しく説明する。

そもそも「Dell PC as a Service」とは?

会員登録(無料)が必要です

 Dell Technologiesの「Dell PC as a Service」は、同社のノートPCやデスクトップ、ワークステーション、ソフトウェアに加えて、PCの導入支援やメンテナンス、アセットリカバリー(デバイスの廃棄)、セキュリティなど、ライフサイクル管理に必要なサービスが含まれる。

Dell PC as a Serviceの料金体系

 利用規模に応じて、Dell TechnologiesはDell PC as a Serviceに「PC as a Service for Business」「PC as a Service for Enterprise」という2つのプランを用意する。PC as a Service for Businessは、必要なPCが299台以下のユーザー企業を対象とし、PC as a Service for Enterpriseは300台以上のPCを必要とする複雑なユーザー企業を対象とする。PC as a Service for Enterpriseに含まれるサービスはPC as a Service for Businessとほとんど同じだが、サービスデリバリーマネジャーの支援が受けられる点や、利用できるオプションサービスが多い点が特徴だ。

 利用料金はPCの種類や利用するオプションサービス、契約期間(36カ月または48カ月)によって異なる。ユーザー企業は月ごとに料金を支払い、初期利用料金はかからない。Dellは月額料金の例を公開している。例えばIntelのCPU「Intel Core i5-10210U」を搭載するDellの「Latitude 3410」を36カ月契約で利用する場合は、1台当たり月額26.38ドルになる。

Dell PC as a Serviceで使えるPCの主な機能

 Dell PC as a Serviceで利用可能なDell TechnologiesのPCは、以下のような機能を搭載していることが特徴だ。

  • Dell Optimizer
    • エンドユーザーの作業方法を学んでPCを自動的に設定する内蔵型AI(人工知能)ソフトウェア。アプリケーションのデータ処理速度やデータ転送速度、PCのバッテリー持続時間の向上に役立つ。
  • PC近接センサー
    • PCに近づくエンドユーザーを検知するセンサー。同センサーとMicrosoftの生体認証機能「Windows Hello」を組み合わせることで、PCに近づくとシステムを自動的に立ち上げ、そのエンドユーザーのユーザーIDでログインできるようにする。その後エンドユーザーがPCから離れると、PCをロックする。
  • Dell ProDeploy Client Suite
    • IT部門のPCの導入作業を支援するサービス。PCのキッティングを自動化し、エンドユーザーが新しいPCを起動したらすぐに利用できるようにする。
  • ProSupport Suite
    • AI技術を使い、ハードウェアやソフトウェアの潜在的な問題点を予測してアラートを提供するサービス。このサービスには、Dell製品専門のエンジニアであるProSupportエンジニアのサポートを受ける権利が付属している。

 第5回は、HPのPCaaS「HP Device as a Service」を詳しく説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 富士通株式会社

小売業のDXを加速する次世代のプラットフォームとは

小売業界にとって、顧客体験(CX)、従業員体験(EX)の向上ならびにDX推進は重要度の高い課題である。多拠点、多店舗、他業態を展開する小売業でCXとEXをグローバルに向上する次世代のリテールコマースプラットフォームとは。

製品資料 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社

マンガで分かる:オンプレミスとクラウドの“二重管理”を解消する方法

インフラのハイブリッドクラウド化を進める一方、オンプレミスとクラウドを管理するためのツールが異なるため、“二重管理”が発生している企業は少なくない。これでは運用負荷は高まるばかりだ。そこでこの状況を解消する方法を解説する。

市場調査・トレンド フリー株式会社

調査レポートから徹底分析、急速に増加するSaaS導入企業の実態と新たな課題

SaaSの普及により、企業の情報システムは大きく変化した。リモートワークやDX推進が加速する一方、情報システム部門には負担がかかり、セキュリティリスクも増すこととなった。調査レポートから、今後の“在り方”について考察する。

製品資料 株式会社マヒト

低価格かつ高品質な名刺を作成する名刺発注サービス、その9つの特長とは?

ビジネスパーソンに欠かせない名刺だが、作成/発注業務は意外と手間がかかるため、担当者の負担になっていることも少なくない。そこで、名刺の作成から注文までの全工程をWeb上で完結し、業務を効率化する名刺発注サービスを紹介する。

技術文書・技術解説 ドキュサイン・ジャパン株式会社

導入が進む一方で不安も、電子署名は「契約の証拠」になる?

契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。