帯域幅とスループットは、どちらもネットワークの性能を示す。この2つの用語は一緒に使われることもあるが、意味は異なる。それぞれの特徴を概説しよう。
テレワークをはじめ、どこで働いてもよい勤務形態が広がり、ネットワークの性能はますます重要になっている。ただし一口に“ネットワークの性能”と言っても、「帯域幅」や「スループット」といった似た用語が絡んでおり、理解には多少の知識が必要になる。
ネットワークの性能を考える場合、スループットが欠かせない。スループットを考えるときのキーワードは「量」だ。スループットは、ネットワークで実際に転送されたデータ量を指す。スループットの値は測定した結果であるため、スループットは測定する条件によって変動する。
「帯域幅」は一定時間内にネットワーク内を移動できるデータ量のことを指す。つまり帯域幅は理論的な数値で、スループットは実測値だと捉えることができる。スループットを「データ伝送速度」と言い換えることがある。
ネットワークではスループットを左右する問題がしばしば発生する。そのため一般的には、スループットは帯域幅とは異なる数値になる。スループットの数値は、ネットワークの稼働状況が正常なのか、そうでないのかを判断するための材料になる。
データ伝送にとっての理想的な条件がそろっているほど、スループットは帯域幅の値に近づくことができる。スループットの値が、帯域幅の値よりも低くなることは通常の現象だと考えられる。
スループットの単位は帯域幅と同じく、「ビットレート」(1秒当たりに転送されるデータ量)で表す。Kbps、Mbps、Gbpsといった単位だ。
あるネットワークの帯域幅が「1Gbps」(bps:bit per second)の場合、1秒当たりに転送可能なデータ量が1Gbitであることを意味する。スループットはネットワークの状態によって変わり、帯域幅が1Gbpsであっても、スループットはその半分の500Mbpsにしかならないことがある。
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