LTOテープの“倍々ゲーム”が終わらない 「14世代」驚きの内容データ増に対する磁気テープ戦略【第1回】

データ保管のニーズが高まり続ける中、テープ規格LTOの第14世代の内容が明らかになった。“大量データの保存”を使命とするLTOは、今後どれだけ進化するのか。

2022年11月14日 05時00分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

関連キーワード

LTO | データ | データセンター | ストレージ


 磁気テープの規格「LTO」(リニアテープオープン)を策定する業界団体「LTO Program Technology Provider Companies」(TPCs)が、LTOのロードマップを更新した。追加になったのは、第14世代となる「LTO-14」だ。ストレージに対するニーズが高まり続ける中で同団体が示したのは、期待を裏切らない内容だった。

「LTO-14」“驚き”の内容

 TPCsとは、ストレージベンダーであるIBM、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Quantumが構成する団体だ。TPCsがロードマップに新たに盛り込んだLTO-14は、1つのテープカートリッジの容量が1P(ペタ)Bを超える。順調に進めば、2030年代の半ばにはこの大容量の製品が登場する。

 新世代のLTO規格を出す際、TPCsは「容量倍増」を目指してきた。過去にも基本的にはそれを実現してきた。LTO-14のテープカートリッジ1個当たりの容量は、

  • 非圧縮時576TB
  • 圧縮時1.44PB

となる。ロードマップにある第13世代「LTO-13」は非圧縮時で288TB、圧縮時で720TBであるため、容量倍増はLTO-14においても継続することとなる。

 なぜTPCsは倍増にこだわるのか――これも大事な視点だ。企業が保有するデータ量が、増加の一途をたどっていることが背景にある。米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)でアナリストを務めるビニー・ホインスキ氏とクリストフ・バートランド氏によれば、企業がストレージで保管すべきデータ量は、2025年までに全世界で17Z(ゼタ)Bに達すると推定する。

 ホインスキ氏によると、ESGの顧客のストレージでは、データ量が平均で毎年35〜40%で増加している。データが増加するトレンドは止まらず、「課題はそれを効率良く保存することだ」と同氏は語る。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news130.jpg

“AI美女”を広告に起用しない ユニリーバ「Dove」はなぜそう決めたのか
Unilever傘下の美容ケアブランド「Dove」は、「Real Beauty」の20周年を機に、生成AIツー...

news099.png

有料動画サービス 34歳以下では過半数が利用経験、4割は1日1回以上利用
「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2024」を基に、テレビ画面での動...

news171.png

2024年のGW予算は横ばい 賃上げよりも物価高と円安の影響が勝る?――インテージ調査
インテージが全国の15歳から79歳の男女を対象に実施したゴールデンウイークに関する調査...