データ保管のニーズが高まり続ける中、テープ規格LTOの第14世代の内容が明らかになった。“大量データの保存”を使命とするLTOは、今後どれだけ進化するのか。
磁気テープの規格「LTO」(リニアテープオープン)を策定する業界団体「LTO Program Technology Provider Companies」(TPCs)が、LTOのロードマップを更新した。追加になったのは、第14世代となる「LTO-14」だ。ストレージに対するニーズが高まり続ける中で同団体が示したのは、期待を裏切らない内容だった。
TPCsとは、ストレージベンダーであるIBM、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Quantumが構成する団体だ。TPCsがロードマップに新たに盛り込んだLTO-14は、1つのテープカートリッジの容量が1P(ペタ)Bを超える。順調に進めば、2030年代の半ばにはこの大容量の製品が登場する。
新世代のLTO規格を出す際、TPCsは「容量倍増」を目指してきた。過去にも基本的にはそれを実現してきた。LTO-14のテープカートリッジ1個当たりの容量は、
となる。ロードマップにある第13世代「LTO-13」は非圧縮時で288TB、圧縮時で720TBであるため、容量倍増はLTO-14においても継続することとなる。
なぜTPCsは倍増にこだわるのか――これも大事な視点だ。企業が保有するデータ量が、増加の一途をたどっていることが背景にある。米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)でアナリストを務めるビニー・ホインスキ氏とクリストフ・バートランド氏によれば、企業がストレージで保管すべきデータ量は、2025年までに全世界で17Z(ゼタ)Bに達すると推定する。
ホインスキ氏によると、ESGの顧客のストレージでは、データ量が平均で毎年35〜40%で増加している。データが増加するトレンドは止まらず、「課題はそれを効率良く保存することだ」と同氏は語る。
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