イーロン・マスク氏はTwitterのCEOに就任後、大規模なコスト削減策を発表した。その対象はクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)の利用にも及んだ。その判断をどう見るべきなのか。
短文投稿サイトを運営するTwitterを買収したイーロン・マスク氏は、同社CEOになってから、さまざまなコスト削減策を打ち出した。Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)の利用も、コスト削減の対象に入った。そうした中で、2023年2月にTwitterのサービスに障害が発生。マスク氏の判断はどう出るのか。
2023年2月8日(米国時間)に短文投稿サイト「Twitter」で障害が発生し、ユーザーは一時的にツイート(短文投稿)ができない状態になった。米誌『Fortune』によれば、この障害を受けてマスク氏は従業員にメールで、ある指示を出した。同氏は、コスト削減の一環で進めていたデータセンター統廃合の作業を一時的に中断することを求めると同時に、「GCPの利用を抑制する計画も一時停止すべきだ」と指示した。
Twitterが、データ処理の大部分を担わせている分散処理フレームワーク「Apache Hadoop」のクラスタ(データを分散処理するノード群)を、GCPに移行する計画を明らかにしたのは2018年5月のことだった。Twitterは、GCPを長期で利用してきたユーザー企業だ。2021年2月には、TwitterがGCPの利用を拡大する方向で戦略的な契約を結んだことを、Googleが発表した。
マスク氏は440億ドルに上るTwitter買収を完了した直後、「負債の程度を考えるとTwitterは破産する可能性がある」と警告を発していた。同氏がTwitterのデータセンター縮小やGCP利用の抑制を求めた背景には、コスト削減が差し迫った課題になっていた問題があったと考えられる。
2022年11月の一部報道によると、マスク氏はインフラの年間コストを最大10億ドル削減する方法を見つけるよう、Twitterの技術チームに命じた。インフラを縮小すれば、Twitterへのアクセスが集中する時期にサービスを正常に運営し続けるのが難しくなるのではないかという懸念が、Twitter社内で出ていたという。
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