SSDの熱暴走を食い止める「ヒートシンク」はどこまで“クール”になった?SSD「オーバーヒート」の原因と対策【第5回】

オーバーヒートからSSDを保護するために重要な役割を果たすのが「ヒートシンク」だ。ヒートシンクを取り巻く動きには、どのようなものがあるのか。適切な冷却方法を選択する上での注意点とは。

2023年04月16日 12時30分 公開
[Rick WangTechTarget]

関連キーワード

SSD | 半導体ストレージ


 過剰な発熱である「オーバーヒート」からSSDを保護するには、SSDを冷却する必要がある。SSDを冷却する最良の方法は、十分で安定したエアフロー(空気の流れ)の確保と、放熱を促す冷却用パーツ「ヒートシンク」の組み合わせだ。ヒートシンクを取り巻く動きを整理しよう。

“クール”さを追い求める「ヒートシンク」の今

 金属の板を介した熱伝達によって電子機器を冷やす「パッシブヒートシンク」は、密度を高めて表面積を拡大させるなどの進化を遂げてきた。こうしたパッシブヒートシンクの進化において、主導的な役割を担ってきたのがマザーボードベンダーだ。

 マザーボードベンダーの取り組みにより、安価なマザーボードでもパッシブヒートシンクを搭載することは珍しくなくなった。マザーボードベンダーによっては、パッシブヒートシンクから、ファンで冷却する「アクティブヒートシンク」へのアップグレードパスを提供することがある。

 ヒートシンクを自社製品の差異化要素として活用するのが、ストレージベンダーだ。例えばフォームファクター(大きさや形状の使用)「M.2」に準拠した、ヒートシンク一体型SSDを製造するストレージエンダーがある。放散するための十分な表面積を持たないM.2準拠SSDにヒートシンクを備えることで、放熱をしやすくする。

冷却手段を選ぶ際は“これ”に注意

 SSDがオーバーヒートするリスクを考えると、冷却は当然の対策だと考えられる。冷却をすれば、データ読み書き速度などの性能を意図的に落として発熱を抑制する「サーマルスロットリング」に頼らなくてよくなる。

 ただし冷却には考慮すべき問題がある。冷却方法を選定する際は、冷却に掛かるコストと、冷却製品が占有するスペースを考慮するとよい。もちろん取り込む空気の温度を、SSDの熱を減らすのに十分なほど低くすることも必要だ。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...