デジタル技術になじみやすいZ世代にとって、VPNは身近な技術だ。一方である調査から、Z世代がよく利用するのは無料VPNだということが分かった。何が問題なのか。
「Z世代」は1990年代半ばから2010年ごろに生まれた世代であり、今後の社会を担う世代だ。Z世代の管理職や経営者が現れる時代を迎え、明日にはZ世代の同僚があなたの上司になる可能性がある。そうしたことを考えれば、Z世代について学ぶことには価値があると言える。
Z世代についての懸念事項の一つが、「VPN」(仮想プライベートネットワーク)の利用状況だ。ある調査によれば、VPNを利用するZ世代の大半が無料VPNを使用している。その実態はどのようなものか。
デジタル技術が身近なZ世代にとっては、VPNも例外ではない。VPNサービス「NordVPN」を提供するNordSec(Nord Securityの名称で事業展開)が外部機関に委託して実施した調査では、Z世代のVPNユーザーが、有料VPNよりも無料VPNを利用する傾向があることが分かった。この調査は世界18カ国15万1400人を対象にした。調査期間は2020年8月から2023年3月だった。
「Lit」というZ世代のスラングがある。Litは「クール」「全面的に肯定」「新しくて良い」などの意味を持つ。対照的に「平凡」「クールではない」「あまり良くない」などの意味を持つスラングが「Mid」だ。無料VPNにプライバシーやセキュリティのリスクがあることを踏まえると、調査結果から見える傾向は“LitではなくMid”という評価になると言える。
Z世代は旅行を好む傾向にある。若者に本質的に備わる好奇心も踏まえると、Z世代は外出先で知人や家族と連絡を取ったり、オンラインバンキングを利用したくなったりするのは自然なことだ。その際、VPNを使うなどのセキュリティ対策をせずに公衆無線LANを利用すると、当然ながらセキュリティリスクが発生する。VPNを利用したとしても、VPN自体にセキュリティリスクがあるのであれば、安全を確保できているとは言い難い。
「インターネットをよく使う世代であるZ世代が、オンラインでのプライバシーを重視していないことは憂慮すべきだ」。Nord Securityのサイバーセキュリティアドバイザーであるアドリアヌス・ウォーメンホーフェン氏はそう語る。
Z世代がセキュリティを意識せずにVPNを利用しがちな世代である一方、「ミレニアル世代」(1980年から1995年の間に生まれた世代)は優れたVPN利用習慣を持つ。Nord Securityの調査によれば、ミレニアル世代はオンラインでのプライバシー保護を目的に有料VPNを利用している。
後編は、無料VPNと有料VPNのメリット、デメリットを説明する。
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