「試着室の体験」を“あの技術”で変える 老舗ファッションブランドの挑戦英国ファッションブランドのCIOが語る【第5回】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的な流行)を経て、小売業者は顧客満足度の取り組みの刷新を迫られている。英国のファッションブランドの取り組みを紹介する。

2023年08月24日 05時15分 公開
[Mark SamuelsTechTarget]

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 ファッションブランド「River Island」を手掛けるRiver Island Clothingは、英国で250店舗以上を持ち、北米や欧州、中東で事業を展開している。1948年の創業から73年目の2021年10月、同社は最高情報責任者(CIO)として、小売業界でIT部門の統括者を務めてきたアダム・ウォーン氏を迎えた。顧客の満足度につながる同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを紹介する。

「衣料品の試着」に“あの技術”を導入 顧客満足度向上の取り組みとは

 River Islandは、「RFID」(Radio Frequency Identification:無線個体識別)を使用した在庫管理を実施している。全ての商品にRFIDタグが付いており、タグには個体識別番号が書き込まれている。同社はクラウドデータウェアハウス(DWH)サービス「Snowflake」の小売事業者向けサービスを使っており、RFIDから収集した情報をクラウドサービスに連携させ、顧客体験の向上に活用している。

 店舗の試着室をオンラインで再現するスマート試着室にもRFIDを活用している。「River Studios」という名称のスマート試着室で試着する商品のRFIDタグをスキャンすると、顧客は試着室内のスクリーンで商品情報を確認できる。同じ商品の別のサイズや色違いが欲しい場合は、スクリーンをタッチすると従業員が商品を持ち込んでくれる。

 RFIDを使うことで、River Islandは商品に関する貴重な洞察を引き出している。例えば、試着したが購入には至らなかった商品の情報や、特定のサイズが定期的に返品されているといったことだ。

 同社はSnowflakeが提供する「データマーケットプレイス」も活用している。データマーケットプレイスは、データを保有する企業とデータを活用したい企業とを仲介し、取引を可能とする仕組みだ。River Islandは、データマーケットプレイス上で自社の商品情報、天気、交通情報などを充実させることで、機械学習による予測モデルを構築。そこから洞察を得ているという。


 第6回は、さまざまな技術を導入し業務改善を進めるウォーン氏の取り組みは何を意味するのかを探る。

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