適切なスキルを持った人材が不足している場合、解決策になるのは新たな人材の採用だけではない。ITコンサルティング企業の経験を基に、必要な人的リソースを確保するための方法の一つを紹介する。
IT部門の人材不足を解消したい企業にとって選択肢の一つとなるのが、アウトソーシングといった社外の人材の活用だ。本連載は、ITコンサルティング企業Nash Squaredとその系列企業で技術開発を担うNash Techのメンバーの経験を基に、スキルギャップ(仕事に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)や人材不足を解消するためのポイントを紹介する。第4回となる本稿は、社外の人材を登用する際に検討すべきポイントを取り上げる。
企業が求める人材を獲得するに当たって、アウトソーシングは一つの方法になる。アウトソーシングといえば、製品やサービスの仕様書を委託先に渡し、委託先はそれに従うだけといったイメージを持つ人もいるだろう。だが委託先を「自部門の延長線上にある組織」と考えて協力関係を強める企業もある。単に作業を委託するのではなく、部門が必要とする人材を補完することが重要になっている。
最高情報責任者(CIO)をはじめとするIT部門の責任者は、アウトソーシングを利用する場合、委託先と対等な立場であるかどうかを改めて確認する必要がある。つまり、仕事を委託しているという強い立場に立っていないかどうか、両社の関係が共に業務を良いものにするかどうかという点がポイントだ。
本連載は、スキルギャップや人材不足を解消するための「5つのポイント」を紹介してきた。これに加えて、6つ目がある。それは人材採用を前提に計画していたプロジェクトを取りやめる勇気を持つことだ。紙に書いた計画では技術的に可能だと思えても、それを推進する人材がいなければ絵に描いた餅に過ぎない。プロジェクトが承認される前段階で、そのプロジェクトの人材は十分なのかどうかを議論し、人材不足や人材のスキル不足がある場合には続行しないとあらかじめ決めておくことが必要だ。プロジェクトで追い求めようとした最先端の仕組みより劣るとしても、現状の人材やスキルで実現できる成果を目指すのも賢い選択になる場合がある。
人材の採用は終わりのない課題であり、課題を解決する特効薬はない。しかし、解決に向けて視野を広げることは大切なポイントだ。求める人材の要件を広げ、採用を支援する企業の協力を得て、適切な人材がいる場に探すことを検討しよう。人材ではなく、新しい技術を活用する方法についても考えよう。それだけで問題が全て解決しないとしても、業務に好影響をもたらせる可能性はある。
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