ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージの違いとは?3種類のストレージを比較【第4回】

ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージにはそれぞれどのような特徴があり、何が得意なのか。3つのストレージについて、各種の視点で違いを紹介する。

2024年01月21日 10時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

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ストレージ | データ | インフラ


 ストレージの種類はブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージの3つに分けることができる。それぞれどのような違いがあるのか。アクセス方法やパフォーマンス(性能)など、ストレージの活用に影響する各種視点で比較する。

「ブロック」「ファイル」「オブジェクト」ストレージ3種はここが違う

  • オブジェクトストレージ
    • API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じてアクセスする
  • ファイルストレージ
    • ファイル共有のプロトコル「Server Message Block」(SMB)や「Network File System」(NFS)を使ってアクセスする
  • ブロックストレージ
    • SAN(ストレージエリアネットワーク)を構成するプロトコル「iSCSI」(Internet Small Computer Systems Interface)や「Fibre Channel」(ファイバーチャネル)を介してアクセスする

 保存できるメタデータ量の違いも、3つのストレージタイプを比較する際の重要なポイントだ。オブジェクトストレージでは、必要なだけのメタデータを保存できる。ファイルストレージとブロックストレージは、保存できるメタデータの量に制限がある。

 パフォーマンス(性能)もストレージの種類ごとに異なる。一般的に、ブロックストレージはレイテンシ(遅延)が最も低く、オーバーヘッド(処理にかかる余分な負荷)も少ない。ファイルストレージでは、ファイルシステムがオーバーヘッドを生み出し、パフォーマンスが低下しやすい。オブジェクトストレージは、求められる性能に合わせて拡張しやすいが、レイテンシが生じる可能性がある。

 データの冗長性にも違いがある。ブロックストレージやファイルストレージは、「RAID」(Redundant Arrays of Independent Disks)やイレージャーコーディング(数学的関数を使用して一連のデータを、冗長性を含む形式に変換する方法)の技術によって冗長性を実現する。オブジェクトストレージには冗長機能が組み込まれている。


 ストレージタイプを選択する際は、自社の規模を考慮することが重要だ。拡張性に優れたオブジェクトストレージは大規模な企業に最適だ。ブロックストレージはデータベースなど、ストレージへの直接アクセスが必要なアプリケーションのユーザー企業に適している。ファイルストレージは、画像や音声情報など非構造化データを保存したいと考えているユーザー企業向きだ。

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