SSDとHDDの価格の変化を調査した結果を基に、今後SSDとHDDを選定する際に考慮すべき点をまとめる。考慮すべき点は、SSDとHDDの価格そのものだけではない。
SSDとHDDの価格動向を分析した英Computer Weeklyの調査によると、両者の値動きに大きな違いが出ており、SSDとHDDを購入する際の判断基準に影響が出る可能性がある。SSDの値上げが見られる中で、今後は何を基準にSSDとHDDを選定すればいいのか。価格動向や、故障率など運用に影響する可能性のある要素を踏まえて説明する。
Computer Weeklyがストレージ製品価格比較Webサイト「diskprices.com」を基に調査した結果によれば、2023年10月に1GB当たり平均0.075ドルだったSSDの平均価格は、その後上昇し、2024年4月の初週は0.095ドルに達した。この調査においてComputer Weeklyは、2023年4月から2024年4月の12カ月間にわたって、3万台を超えるストレージの平均価格と仕様を週ごとに集計して分析した。ストレージの価格はAmazon.comのECサイトの価格に基づいている。
この結果を基にすると、20TBのSSDを導入する計画があるユーザー企業では、2024年4月にSSDを購入した場合、購入総額が半年前に比べて約400ドル高くなると考えられる。導入するSSDの容量が100TBであれば約2000ドル、1PB(ペタバイト)であれば約2万ドル高くなる。
2023年10月に1GB当たり約0.075ドルだったSSDの平均価格は2023年10月から11月にかけて急激に上昇した。それと同時に、SAS(Serial Attached SCSI)接続のHDDの価格も上昇した。だがSAS接続のHDDの平均価格は2023年10月末に1GB当たり0.055ドルに達した後、0.045ドル近くまで下落した。
1GB当たりの価格はユーザー企業にとって検討事項として重要だが、ストレージのライフサイクル全体の総所有コスト(TCO)も重要だ。TCOには主に、購入コストと消費電力、管理コストが影響する。
SSDがHDDと比較して、常にエネルギー効率に優れているのか否かはまだ証明されていない。SSDやHDDの種類によっても違いがある。
1台当たりの価格はHDDよりもSSDが高くなる傾向にあるが、メンテナンスコストはHDDよりもSSDの方が低くなる傾向にある。クラウドストレージベンダーのBackblazeは、同社が所有する数十万台のストレージの信頼性や故障率を公表している。同社によると2023年第3四半期(7~9月期)末時点でのSSDの年間故障率は1.05%で、HDDは1.47%だった。
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