「Java」初心者でも作れる “数当てゲーム”で学ぶプログラミングの基本初めてのJavaプログラムを作ってみよう【後編】

「Java」を学び始めた人にお勧めしたいのが「数当てゲーム」の開発だ。本稿で紹介するステップを踏めば、変数、条件分岐、ループなどの基本文法を学びつつ、プログラミングの考え方も身に付けられるはずだ。

2024年07月24日 05時00分 公開
[Darcy DeCluteTechTarget]

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 プログラミング言語・開発環境「Java」を学び始める人は、何から手を付ければよいのか。筆者が初めて書いた入門的なJavaプログラムは「数字当てゲーム」だった。これは、プログラムに設定されている数字をエンドユーザーがヒントを基に当てるゲームプログラムだ。エンドユーザーは答え(プログラムが保持している数字)を推測して、1つの数字を入力する。プログラムはその数字と答えを比較し、エンドユーザーの入力が答えの数字よりも小さいか、大きいか、あるいは等しいかを表示する。エンドユーザーが正しい数字を当てるまで、このやりとりを続けるといったものだ。

 このプログラムの開発を通じて、筆者は変数、ループ、条件文の仕組みを理解した。読者にもこのやり方を紹介したい。同じような数当てゲームのプログラムを、次の手順で作成してみよう。

数字当てゲームで学ぶJavaプログラミング

 オンライン開発環境「OneCompiler」を使って、Javaの数字当てゲームを開発する手順を以下に示す。

  1. 任意のWebブラウザでOneCompilerにアクセスする
  2. OneCompilerで「JShell」オンラインコンパイラを開く
    • JShellは、対話的なプログラム開発・実行環境(REPL:Read-Eval-Print Loop)を実現する機能。
  3. エンドユーザーの入力と、答えの数字を格納するための2つの変数をプログラムに追加する
  4. 2つの変数が一致するかどうかをチェックするための条件分岐を追加する
  5. プログラムがエンドユーザーの入力を受け付けるようにする
  6. エンドユーザーが正しい数字を当てるまでゲームが続くようにするためのループ構造を追加する

 OneCompilerでJShellを開くまでの手順は、前編「『Javaの学習』を始める“お薦めの方法”はこれだ」で紹介した通りだ。以下ではそれ以降のステップを解説する。なお記事中の情報は、2024年7月時点のものに基づく。

2つの変数を追加する

 数字当てゲームのプログラムには、以下の2つの変数が必要だ。

  1. 答えの数字を格納する変数
  2. エンドユーザーが答えを推測して入力した数字を格納する変数

 答えの数字を格納する変数「theMagicNumber」と、エンドユーザーの推測値を格納する変数「theGuess」の値を宣言し、それぞれの初期値をハードコードする(ソースコードに直接値を書き込む)と、ソースコードは次のようになる。

var theMagicNumber = 7;
var theGuess = 5;
System.out.println("Guess the number!");

 4行目は、エンドユーザーに数字を当てるよう促す指示を表示する命令だ。この時点で覚えておくべきことが2つある。

  1. Javaは大文字と小文字を区別する
  2. Javaのソースコードの1文はセミコロン「;」で終わる

 この2つのルールのどちらかに違反すると、Javaプログラムはコンパイルされない。

条件分岐を追加する

 このプログラムでは、エンドユーザーが入力した数字が答えの数字より小さいか、大きいか、あるいは等しいかをチェックしたい。そのためには「if」文を使って、条件分岐を追加する。ifは与えた条件が真の場合のみ、後ろに続く波かっこ({})内の処理を実行する構文だ。

 ソースコードは以下となる。

if (theGuess < theMagicNumber)
  System.out.println(theGuess + " is too low!");
if (theGuess > theMagicNumber)
  System.out.println(theGuess + " is too high!");
if (theGuess == theMagicNumber)
  System.out.println(theGuess + " is correct!");

 ここでは、入力した数字が答えの数字よりも小さい場合は1行目の条件文、大きい場合は4行目の条件文、等しい場合は7行目の条件文でそれぞれ条件を満たし、プログラムがメッセージを表示するようにした(図1)。

図1 図1 if文を使ったJavaの条件分岐。この例では答えの数字を格納するtheMagicNumberと、エンドユーザーが入力した値を格納するtheGuessの両方に7が代入されている

 theGuessの値をいろいろな数字に変えてプログラムを実行し、出力部分に異なる結果が表示されるのを確認しよう。

エンドユーザーの入力を受け付ける

 プログラムがエンドユーザーから入力を受け取れるようにするには、以下の3つの操作を実施する必要がある。

  1. 「//--execution local」文をソースコードの先頭に追加する。
  2. 「Scanner」クラスの新しいインスタンスを作成する。
  3. ユーザー入力をtheGuess変数に代入する。

 1つ目はOneCompiler特有の命令だ。この文によって、OneCompilerにプログラムをローカルPCで実行するように指示できる。

 2つ目はScannerクラスを使うための準備をする。Scannerは、エンドユーザーの入力を読み取るためのクラス(データと操作をまとめた設計図)だ。クラスから作成した実体を「インスタンス」と呼び、ここでは「input」がインスタンスに該当する。次のソースコードはinputを宣言するものだ。

Scanner input = new Scanner(System.in);

 以下のソースコードは、Scannerクラスのメソッド(操作)である「nextInt()」を呼び出すことで、inputがエンドユーザーから受け取った値を整数にしてtheGuessに代入している。

theGuess = input.nextInt();

ループ処理を追加する

 今回のプログラムは、エンドユーザーが答えを当てるまで数字を入力するように促し続けたい。そのためには、ループ構造を作る「while」文を使って、ループの範囲(スコープ)内に条件分岐を配置する必要がある。そうすることで、whileの条件が満たされる間は、while文の後にある波かっこ内の命令が繰り返し実行されるようになる。

 目指したいwhileループの動作は以下の通りだ。

  • エンドユーザーの入力した数字が答えの数字と一致しない場合、ループは継続する
  • エンドユーザーの入力した数字が答えの数字と一致した場合、ループは終了する

 この要件を踏まえると、while文を用いたループは次のようになる。

while(theGuess != theMagicNumber)
{
  /* 条件文をここに記述する */
}

 このループ内に正誤を判断する条件文を入れたものが図2だ。

図2 図2 while文によるループ処理を使って、入力された数字が答えと一致するまでエンドユーザーに入力を求め続ける

入力値を事前に与える

 プログラムを実行する前に、入力値となる数字を「STDIN」(標準入力)セクションに追加する。入力として与える最後の数字は、必ず答えの数字と一致させるようにする。そうしなければ、プログラムが無限にループしてしまうからだ。今回の例では「5」「9」「7」を与えることにした。

プログラムを実行する

 ここまでで作成したJavaプログラムを実行すると、変数、条件分岐、ループ文が機能することが確認できるはずだ。

 筆者の場合は、データの入力を促すプロンプトとともに、条件分岐によって5、9、7の値で以下の出力が表示された(図3)。

  • 5 is too low!(5は小さ過ぎる!)
  • 9 is too high!(9は大き過ぎる!)
  • 7 is correct!(7は当たり!)
図3 図3 画面右側のSTDINセクションに入力値を用意してプログラムを実行した結果

 これで数当てゲームのプログラミングは無事終了だ。Javaプログラムはこのようにして開発する。

次にできること

 この数当てゲームには、さまざまな改良を加えることができる。例えば以下のような改良だ。

  • 答えの数字をランダムにする
  • 「Windows」のダイアログボックスで入力を受け付ける
  • 条件が真の場合だけではなく偽の場合の処理も記述できる「if-else」文を使って、条件分岐を書き直す

 本連載のガイドに沿って全ての手順を実行した皆さんは、自慢していいと思う。最初のJavaプログラムをうまく作れたことを喜んでもらえれば幸いだ。

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