無線LANは成熟市場ではなかった? 企業がアクセスポイントを増やす理由とは今後の鍵は無線LANの制御

オフィスでは敬遠されることが少なくなかった無線LAN。この市場がいま伸びている。企業が新たに無線LAN環境を導入する背景には何があるのだろうか。無線LAN市場の動向を紹介する。

2019年03月13日 05時00分 公開
[遠藤文康TechTargetジャパン]

関連キーワード

IEEE 802.11ac | Cisco Systems | 無線LAN | IEEE | Wi-Fi


 企業向けの無線LAN機器市場が好調だ。セキュリティへの懸念から、これまで無線LANを避けてきた企業が新たに導入に踏み切ったり、導入済みの企業では無線LANの環境を広げたりする動きが目立っている。IDC Japanで企業ネットワーク分野を担当するアナリスト、草野賢一氏は「企業向けのネットワーク機器市場は成熟していて大きな伸びは期待できない。その中で無線LAN機器市場の伸びが際立つ」と、無線LAN市場の好調ぶりを語る。

 オフィス環境において、なぜいま無線LAN環境が広がっているのか。企業は無線LAN環境を構築するために、どのベンダーや製品を選択しているのか、などについて本稿で紹介する。今後注目しておくべき無線LAN市場の動向についても触れる。

無線LAN機器市場を成長させる要因

 国内の無線LANアクセスポイント(以下、AP)、無線LANコントローラー(以下、コントローラー)を含む企業向け無線LAN機器市場は、IDC Japanの調査によれば2017年の企業の支出額が前年比12.9%増、出荷台数が6.5%増だった。当初、同社は年2〜3%程度の安定した伸びを予想していたといい、その予想を大きく上回った形だ。図1の市場動向予測のグラフは2018年以降の数値が予測値となっているが、草野氏は「無線LANは予測よりも市場がポジティブに推移する可能性が大いにある」と語る。企業ネットワーク市場全体では、IDC Japanは2017年から2022年までの年平均でマイナス2.4%の成長率になると予測している。市場が縮小する企業向けネットワーク市場において、無線LAN機器の成長率が突出している背景には何があるのだろうか。

画像 図1 国内企業向け無線LAN機器市場、2016年〜2022年の出荷台数および支出額予測(IDC Japan調べ。出荷台数の単位は千台、支出額の単位は百万円)

市場を底上げした働き方改革

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news104.jpg

トランプ氏圧勝で気になる「TikTok禁止法」の行方
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利した。これにより、TikTokの米国での将来は...

news190.jpg

インバウンド消費を左右する在日中国人の影響力
アライドアーキテクツは、独自に構築した在日中国人コミュニティーを対象に、在日中国人...

news041.jpg

SEOは総合格闘技である――「SEOおたく」が語る普遍のマインド
SEOの最新情報を発信する「SEOおたく」の中の人として知られる著者が、SEO担当者が持つべ...