SaaSを比較検討するとき、サービス品質保証契約(SLA)の内容も重要な要素となる。SaaSベンダーとSLAを締結する際に確認すべきポイントを、カスタマイズ性とデータ保護の観点から紹介する。
SaaS(Software as a Service)を使うことで、ユーザー企業はCPUやメモリといったコンピューティング、ストレージ、ネットワークなどの管理負担を軽減できる。だが、それは運用管理におけるベンダーへの依存度が高くなることを意味する。こうした状況でも安心して利用できるSaaSを選定するには、サービス品質保証契約(SLA)の内容を確認することが必要だ。
今回は前編「SaaSのSLAで要確認 稼働率99.9%の根拠は? 返金されない条件は?」に引き続き、SaaSのSLAを評価する際に気を付けるべき4つのポイントのうち、残る2つを取り上げる。
SaaSは一般的に、多様なニーズを満たすように設計されている。そのためユーザー企業はほとんどの場合、カスタマイズの必要なく、すぐにSaaSを導入できる。場合によってはエンドユーザーの属性によって、SaaSを段階的に利用できるようにすることが可能だ。
Server StorageIO and UnlimitedIO(StorageIO)でシニアアドバイザリーアナリストを務めるグレッグ・シュルツ氏は、Googleのオフィススイート「G Suite」を例に挙げ「教育機関では学習者に基本バージョンの『G Suite』を、教員や研究者には、同サービスのもっと多くの機能を備えたバージョンを提供することができる」と話す。
それでもSaaSをカスタマイズしたいと考える企業は少なからずある。SaaSのカスタマイズは総じて、オンプレミスのアプリケーションよりも容易だ。SaaSの基本的な特徴として、カスタマイズによる仕様変更のほとんどがバージョン間で持ち越される。この点がオンプレミスのアップグレードとは異なる。オンプレミスでは一般的に、アップグレードのたびにカスタマイズをやり直さなければならない。
例えばSAPは、PaaS(Platform as a Service)の「SAP Cloud Platform」を通じて、同社の人事管理サービス「SAP SuccessFactors」に高度なカスタマイズ機能を提供している。企業はSaaSを評価する際、そのコストや言語サポートといった項目に加え、カスタマイズの機能を比較検討する必要がある。ただしカスタマイズ性は、SaaSのSLAに含まれないことが珍しくない。
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