「Azure Stack」だけじゃない、Microsoftのハイブリッドクラウド製品とは?AWS、Microsoft、Googleのハイブリッドクラウド製品・サービス【中編】

オンプレミスのインフラ向け製品を長く提供してきたMicrosoftは、クラウドベンダーの中でもいち早くハイブリッドクラウドに目を向けてきた。同社のハイブリッドクラウド向け主要製品・サービスを紹介する。

2020年07月29日 05時00分 公開
[Tom NolleTechTarget]

 クラウドベンダー各社は「ハイブリッドクラウド」を実現するための製品・サービスの開発や提供を進めている。ハイブリッドクラウドは、複数のユーザー企業でインフラを共有する「パブリッククラウド」と、特定のユーザー企業がインフラを専有する「プライベートクラウド」の組み合わせだ。

 この連載では、大手クラウドベンダーであるAmazon Web ServicesとMicrosoft、Googleのハイブリッドクラウド戦略と、各社が提供するハイブリッドクラウド関連製品・サービスを紹介する。前編「AWSが提供する『ハイブリッドクラウド』に役立つ主要サービスとは?」に続く本稿は、Microsoftのハイブリッドクラウド関連製品・サービスを取り上げる。

Microsoft

 Microsoftの「Azure Stack」は、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」の機能をオンプレミスのデータセンターに拡張するための製品・サービス群だ。主要なAzureサービスをオンプレミスで実行できる。

 ワークフローとハイブリッドクラウド管理のためのツール類も提供している。その中でもアプリケーション間の非同期通信を可能にするメッセージキューイングサービスの「Service Bus」は、Azureとオンプレミスのインフラのそれぞれで稼働するアプリケーションの連携を可能にする。

 ユーザー企業は、Service BusとMicrosoftのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)管理ツール群を合わせて利用することで、ハイブリッドクラウドを使ったシステム構築を簡素化できる。この組み合わせはすでに幾つかのユーザー企業が採用している。

 Microsoftはハイブリッドクラウドのデータ処理を可能にする以下の2つのサービスも提供し、ハイブリッドクラウド分野での優位性を維持しようとしている。

  • Event Grid
    • イベント駆動型アプリケーションの開発に役立つイベントルーティングサービス。各種アプリケーションとの間でイベントを送受信する。
  • Logic Apps
    • ワークフロー自動化サービス。一連のプロセスに沿って複数のアプリケーションを連携させることができる。Microsoftやサードパーティーのアプリケーションに接続するための「コネクタ」を豊富に用意している。

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