AWS、Microsoft、Googleのハイブリッドクラウド製品・サービス【後編】
Googleをハイブリッドクラウドの“最重要ベンダー”に変えた「Anthos」とは?
Googleはコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を中核としたハイブリッドクラウド戦略を進めている。MicrosoftやAWSと比較したときの同社の強みとは。
前編「AWSが提供する『ハイブリッドクラウド』に役立つ主要サービスとは?」と中編「『Azure Stack』だけじゃない、Microsoftのハイブリッドクラウド製品とは?」にわたり、大手クラウドベンダーの「ハイブリッドクラウド」戦略と、各社が提供するハイブリッドクラウド関連製品・サービスを紹介してきた。後編となる本稿は、Googleのハイブリッドクラウド関連サービスを取り上げる。ハイブリッドクラウドは、複数のユーザー企業でインフラを共有する「パブリッククラウド」と、特定のユーザー企業がインフラを専有する「プライベートクラウド」の組み合わせだ。
併せて読みたいお薦め記事
Googleのハイブリッドクラウド製品を解説
- Google新「Anthos」の「AWSで利用可能になった」こと以外の変化とは?
- Google「Anthos」はAWS、Azureのハイブリッドクラウド支援製品と何が違うのか?
- 「Google Cloud VMware Engine」とは? VMwareの仮想マシンをGCPで動かす
ハイブリッドクラウドの構築について詳しく
Googleはハイブリッドクラウドの分野で他の主要クラウドベンダーに後れを取っていたが、一気に追い上げた。その中心的な要素が「Anthos」だ。
Anthosは同社のクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)の各サービスをオンプレミスのインフラに導入するための製品・サービス群だ。コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を中核要素にしており、オンプレミスのインフラからGCPへアプリケーションをシームレスにデプロイ(配備)できる。
Microsoftのハイブリッドクラウドアプライアンス「Azure Stack」と同じように、AnthosはGCPサービスのオンプレミスでの利用を可能にする。AWSもVMwareとの提携と、AWSの処理機能をデータの発生源であるエッジ側に拡張する「AWS IoT Greengrass」などのサービスによって、オンプレミスのインフラで一部のAWSサービスを利用できるようにしている。ただし利用できるサービスは限定的だ。
Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールは、比較的簡単にハイブリッドクラウドに適用できる。これはKubernetesを中心としたハイブリッドクラウド戦略を採用したGoogleが、AWSやMicrosoftと差異化できる要素になっている。
今後のハイブリッドクラウド戦略
大手クラウドベンダーのハイブリッドクラウド戦略には2つの方向性がある。一つは、ユーザー企業がオンプレミスのインフラで稼働させているアプリケーションの負荷をクラウドに分散する「クラウドバースト」の用途に、自社のクラウドサービスを利用できるようにすること。もう一つは、オンプレミスのインフラでもクラウドサービスでも変わらず動作するアプリケーション開発を支援することだ。Microsoftはすでにこの2つの方向性に沿った製品とサービスを提供しており、Googleは2つの方向性に沿ったサービスの提供を目指している。AWSは後者が中心だ。
AWSがハイブリッドクラウド関連サービスの提供で競合2社と戦うには、ライバルの後を追うしかないだろう。同社はVMwareとの提携を通して、オンプレミスのインフラに移植可能なクラウドサービスを構築する可能性がある。
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