ダウンタイム対策としての「レジリエンス」【前編】
「ダウンタイム」が招くコストを正確に見積もる方法
ダウンタイムは重大な損失につながりかねない。評判を損ねたり、売り上げを失ったり、余計なITコストが発生したりする恐れがある。こうしたコストを見積もる方法は。
どのような企業にとっても、ダウンタイム(システムの停止時間)に伴うコストは高くつく。どのくらいのコストがかかるかは、「ダウンタイムがどのくらい長かったか」「いつ発生したか」などさまざまな要因に左右される。重要なことは「ダウンタイムの発生を計画していたかどうか」であり、これが最もコストを左右する可能性がある。
計画的なダウンタイムと計画外のダウンタイムの重要な違いとは何か。それは計画的ダウンタイムの場合は、企業には追加の選択肢があることだと、調査会社Info-Tech Research Groupのインフラリサーチアドバイザーを務めるフランク・トロバト氏は説明する。計画的ダウンタイムならば適切な次善策を講じたり、緊急性のないタスクを先送りしたりできる。
だが計画外ダウンタイムが発生すると、企業はこうした方策の準備ができておらず、金銭だけでなく、それ以外のコストも強いられる恐れがある。売り上げが失われ、生産性が低下し、評判に傷がつきかねない。
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ダウンタイムのコストを見積もる方法
計画的ダウンタイムのコストは、どのサービスがダウンタイムの影響を直接および間接的に受けるかを理解することで、見積もることができる。例えば自社のクラウドインフラをアップグレードするためにダウンタイムを計画している場合、「顧客データベースはオフラインにする必要があるかどうか」「オンライン販売や顧客サポートなど、ユーザーが週7日24時間利用できることを期待するサービスは、クラウドインフラに決定的に依存しているかどうか」といった点を検討するとよい。
「ダウンタイムの『コスト』とは売り上げの損失だけではない。評判の低下もコストの一つだ」とトロバト氏は説明する。将来の販売に影響したり、ブランドに傷をつけたりする恐れがあるからだ。リーダーが計画的ダウンタイムのコストを軽減するか、受け入れるかを判断できるように、これらのコストをしっかり理解することが重要だ。
一方で計画外ダウンタイムは「計画的ダウンタイムよりも深刻な混乱を引き起こす可能性があり、そのためにビジネスコストとITコストがかさむ恐れがある」とトロバト氏は語る。ITコストについては、インシデントの解決に必要となる技術購入費、ベンダーのサポートサービス料金、スタッフの超過勤務手当といった追加コストが発生する可能性がある。
企業は計画的ダウンタイムと計画外ダウンタイムの両方を、ビジネスの混乱の潜在的要因として扱わなければならない。ほとんどの企業は、メンテナンスのために必要な週末の計画的ダウンタイムでも、ビジネスに何らかの影響を受けている。
「週末は計画的ダウンタイムの理想的な機会だと思っているかもしれない。だが幅広いステークホルダーやサービスが影響を受ける場合がある」とトロバト氏は語る。その中には、オンラインサービスのユーザー、期限を守るために休日出勤をしているスタッフ、営業時間外のバッチ処理などが含まれる。
計画外ダウンタイムのコストに関しても、軽減するか、受け入れるかを効率的に判断できるようにするためには、リーダーがこのコストをしっかり理解することが必要だ。トロバト氏によると、計画外ダウンタイムのコストに対する理解は、「レジリエンス」(障害発生時の回復力)投資の適切なレベルを定義するのにも役立つ。「1万ドルの問題を解決するのに100万ドルを投じてはならない」と同氏は強調する。
同様に、ダウンタイムが評判に影響する可能性が低ければ、評判リスクを軽減するために、高価な高可用性ツールを導入する必要はない可能性がある。「代わりに24時間以内の復旧を実現するウォームスタンバイシステムがあれば、事足りるかもしれない」(トロバト氏)
後編は計画外ダウンタイムのコストを最小化する方法と、コスト計算の勘所について、専門家の見解を紹介する。
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