「5G」を世界の3分の1が利用 携帯電話市場はこう変わる携帯電話市場は新時代に突入【中編】

大容量通信がしやすい「5G」の利用が広がることで、モバイル通信は今後どうなるのか。通信機器ベンダーEricssonのレポートを基に今後の注目すべき市場動向を紹介する。

2022年01月20日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

関連キーワード

ネットワーク


 「5G」(第5世代移動通信システム)は2027年までに世界の全携帯電話契約の約半数を占めるようになり、世界の人口の約3分の1が使う。これは通信機器ベンダーEricssonが2021年11月に公開した携帯電話市場に関するレポート「Ericsson Mobility Report」による予測だ。

 前編「『5G』が前例のないスピードで拡大 携帯電話の主流になるのか」に続いて、5Gの市場予測として注目すべき点を紹介する。既に5Gは「4G」(第4世代移動通信システム)を大きく上回るペースで利用が広がっている。

契約数でもトラフィックでも5Gが急速に拡大

 Ericssonのレポートによれば、2021年第3四半期(7〜9月期)の5G契約者数の実績は世界で実質9800万契約増となった。これに対して同期の4Gは約4800万契約増にとどまっている。5G市場の伸びは、5G端末の値下がりが一因となっている。それによって中国と北米における5G需要が強くなっている。

 2021年第3四半期のモバイル通信のトラフィック(ネットワークを流れるデータ)は前年同期比で約42%、前四半期比で約8%増えた。月間のモバイル通信のトラフィックは、2027年に世界で月間370EBに達する見込みだ。

 5Gのサービス開始が早かった人口の比較的多い市場が、今後のトラフィックの伸びをけん引する。レポートによれば、2027年までにモバイル通信のトラフィックの約62%を5Gが占めるようになる。

 固定通信網に無線を接続するFWA(固定無線アクセス)も5G利用を広げる一因となっている。同レポートによれば、FWAは2021年末の約8800万接続から2027年には約2億3000万接続へとおよそ3倍に増加し、その約半分に5Gが使われる。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news078.jpg

生成AIへの期待値の変化 DeepSeek台頭がマーケターに突きつける課題とは?
AI 生成の広告に対する反発が続いた1年を経て、マーケターはパフォーマンス結果重視で非...

news128.png

2024年に視聴者が検索したテレビCM 2位は中国のあのEVメーカー、1位は?
2024年にテレビCMを通して視聴者が気になりWeb検索したものは何だったのか。ノバセルが発...

news078.jpg

Googleの広告収益成長が鈍化、中国のアレが原因?
YouTubeなどのプラットフォームの成長率は、米国の選挙関連支出の急増にもかかわらず低迷...