2022年03月22日 05時00分 公開
特集/連載

「NFT」が引き起こす知財問題 企業に立ちはだかる「法的な曖昧さ」の影響はNFTをめぐる知財訴訟【中編】

活用が広がりつつある「NFT」(Non Fungible Token:非代替性トークン)。一方で企業が無視できない課題として、NFTによる権利侵害がある。法律専門家は問題の核心をどう見るか。

[Mike GleasonTechTarget]

関連キーワード

暗号化


 前編「NFTとは? 400億ドル規模に急成長、知財重視の企業には懸念も」に続く後編となる本稿は、「NFT」(Non Fungible Token:非代替性トークン)をめぐる知財管理の問題を取り上げる。NFTは、デジタル資産の所有権を証明する手段として、ブロックチェーンに保存する特殊なデータだ。

 法学教育機関California Western School of Lawの准教授エミリー・ベザディ氏は、NFTが新しい技術であるために、法整備が追い付いていない現状に懸念を示す。

NFTが抱える「法的な曖昧さ」の正体と影響

 NFTにひも付いたデジタルアートである「NFTアート」の制作者による権利侵害を争点とする訴訟では、どの行為が法に反するのかを判断しなければならない。NFTはオンライン資産の所在を示す点で、ハイパーリンクと同じような性質を持つ。ベザディ氏は「米国の裁判所はかつて『ハイパーリンクは著作権で保護される作品も、派生物も含まないため、著作権法に違反しない』という判決を下したことがある」と説明する。

 その解釈を適用すれば、NFTアートは著作権を侵害していないことになる。原告企業は、権利を侵害する素材を被告がアップロードしたことを証明しなければならない。だが判例がなく、NFTに関する法律もない現状では「裁判官がこの解釈を採用せず『NFTそのものが法律違反だ』と判断する可能性がある」とベザディ氏は語る。

 ベザディ氏は「NFTは商標権や著作権に関わる新しい問題を引き起こす。立法府が法人の財産と権利を保護する法律を立案すべきだ」と主張する。米国の現行法は、複雑な新技術であるNFTを適切に扱うことができず「新しい仕組みに合わなくなっている」と同氏は語る。


 後編は、HermesとNikeが起こした訴訟の内容を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news041.jpg

2024年の広告業界大予測(無料eBook)
Forrester Researchは2024年を「大手メディアが活気を取り戻す瞬間」としています。マー...

news067.jpg

Xにおける「バレンタイン」を含む言及数は過去4年間で最多だがUGC数は最少 どういうこと?
ホットリンクは、X(旧Twitter)に投稿されたバレンタインに関するUGCについて調査しまし...