本格普及期を迎えた「無線WAN」【中編】
無線LANでもMANでもない「無線WAN」とは何か?
ネットワーク分野には類似するさまざまな用語がある。「無線WAN」もそのうちの一つだ。無線WANとは何なのか、企業がなぜこの用語を知っておくべきなのかを考える。
「無線WAN」(WAN:ワイドエリアネットワーク)とは何か、それにはどのようなメリットがあるのかについては、ある程度の説明を加えなければ明確にならない。
「ワイド」を決める明確な基準はない。無線WANの接続範囲は、LAN(ローカルエリアネットワーク)よりも広い。無線WANは、時にはMAN(メトロポリタンエリアネットワーク)と重なる場合もある。
「無線WAN」とは何か、何が期待できるのか
併せて読みたいお薦め記事
連載:本格普及期を迎えた「無線WAN」
進化と多様化が進む無線技術
無線WANは、2地点を接続する「ポイントツーポイントネットワーク」や、網目のように経路を組む「メッシュネットワーク」、移動通信のインフラを専有する「プライベートネットワーク」を含む場合がある。同様に、幹線道路や鉄道網が使用するナローバンド(狭帯域)のIoT(モノのインターネット)ネットワークも、無線WANだと考えることができる。
企業は無線WANにより、さまざまな場所から社内のシステムに接続するための手段を用意できる。複数のWANをソフトウェアで仮想化して、利用可能な帯域幅を拡張することも可能だ。だが、いいことばかりではない。無線WANのネットワーク経路は複雑になりがちで、一元的な制御や管理がしにくい。レイテンシ(遅延)や通信速度低下が発生しやすいという課題もある。
無線WANの通信インフラを企業が自社で所有する場合、ネットワークの設計やメンテナンスは企業自身が担う。それができない場合は、通信事業者に委託する選択肢もある。有線のWANとは異なり、無線WANは広域にわたって通信インフラのメンテナンスをする必要はない。ただし無線WANにもメンテナンスやトラブルシューティングは必要だ。通信事業者の通信インフラを使う場合は、その点が問題になる可能性がある。
例えば通信事業者の通信インフラを使用していて通信速度が遅くなる、途切れるといった問題が発生する場合、企業は何が問題なのかすぐに判断できない。企業のネットワーク管理者は通信事業者に連絡し、専門的な知識があって親身に応じてくれる担当者を探さなければならない。
無線WANの接続は、有線とは異なる脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。人為または自然の要因によって、通信が干渉を受ける可能性を抱えていることだ。この点には注意する必要がある。免許が必要な周波数帯を使っているかどうかにかかわらず、その問題は発生する。
後編は、ネットワーク技術の進化に合わせて変わる無線WAN市場と、それが企業にもたらす価値を考える。
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