比較的新しい市場である量子コンピュータ市場でベンダーが勝ち抜くには、資金力が重要だ。これまでのところ、ベンダーが順調に信金を調達できている分野があるという。それは何なのか。
第3回「『量子コンピュータ』の普及が部品、材料市場を刺激する」は、量子力学の原理を利用したコンピュータ「量子コンピュータ」の市場が部品、材料メーカーに及ぼす影響を説明した。第4回となる本稿は、アナリストの解説を基に、量子コンピュータ市場における資金調達の現状を整理する。
量子コンピュータ関連製品/サービスの開発が経済的に成立するかどうかは、ベンチャーキャピタルからの継続的な市場流入にかかっている。資金力のない新興企業にとってベンチャーキャピタルの存在は、より重要だ。調査会社のConstellation Researchが2021年11月末に発表したレポートによると、量子コンピュータ市場の計241社が約85億ドルを調達している。
Constellation Researchの予想では、量子コンピュータ市場は2021年から今後5年間で12社ほどの総合ベンダーが「勝者」となる。ハードウェアやセキュリティ、ソフトウェアなどの主要7カテゴリーでそれぞれ5~7社の専業ベンダーが誕生すると同社はみる。
これまでに最も資金を調達したのはセキュリティ分野で、調達資金が50億ドルを超えると、Constellation Researchのレポートは伝える。サイバー攻撃の防止に注目が集まる中で、量子コンピュータやその関連技術を用いたセキュリティ製品やクラウドサービスの存在は、ユーザー企業の量子コンピュータへの信頼性を高める可能性がある。
グッドソン氏によると、量子コンピュータの躍進が期待できる分野には、サイバーセキュリティに加えてシミュレーションや金融などがある。ただし「実現は数年先になる可能性がある」と同氏は語る。
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