“不安なPaaS”を解消する「PaaS構築ソフトウェア」とは? 失敗しない選び方「PaaS」を解剖する【第4回】

クラウドベンダーが提供するPaaSの課題を解決する手段として「PaaS構築ソフトウェア」がある。どのようなメリットがあるのか。その特徴と選び方を説明する。

2022年07月01日 05時00分 公開
[Tom NolleTechTarget]

 クラウドベンダーが提供するPaaS(Platform as a Service)の課題を解消しつつ、PaaSのメリットを得るには、クラウドベンダーに依存しない独自のPaaSを構築できるPaaS構築ソフトウェアの利用が効果的だ。PaaS構築ソフトウェアを利用することで、ユーザー企業はPaaSのメリットを得ながら、そのデメリットを解消できる可能性がある。

PaaS構築ソフトウェアの失敗しない選び方

 ユーザー企業がPaaS構築ソフトウェアを有効活用する鍵となるのは、アプリケーション開発に必要なソフトウェア機能を全て洗い出し、それらを過不足なく利用できるPaaS構築ソフトウェアを特定することだ。必要最小限のソフトウェア機能を備えるPaaS構築ソフトウェアを利用することで、ライブラリ(ソフトウェア部品)の互換性確保といった負荷を軽減しやすくなる。

 PaaS構築ソフトウェアの導入作業は、クラウドベンダーのPaaSを利用する場合よりも複雑になったり、TCO(総所有コスト)が高くなったりする可能性がある。そのためPaaS構築ソフトウェアのコストとメリットを、クラウドベンダーのPaaSと比較することが重要になる。

 IaaS(Infrastructure as a Service)のマーケットプレースサービスで、サードパーティーのPaaS構築ソフトウェアを提供している場合がある。マーケットプレースサービスにあるPaaS構築ソフトウェアを利用することで、利用中のIaaSへのPaaS構築ソフトウェアの導入が容易になる可能性がある。

 クラウドベンダーのPaaSを選ぶにしても、PaaS構築ソフトウェアを選ぶにしても、ユーザー企業は導入後にPaaSの利用状況を追跡することが重要だ。PaaSの機能やコスト、自社アプリケーションでの使用量、自社の予算が変化すれば、そのPaaSの利用価値が変化する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news055.jpg

トランプ氏当選でイーロン・マスク氏に追い風 過去最高の投稿数達成でXは生き延びるか?
2024年の米大統領選の当日、Xの利用者数が過去最高を記録した。Threadsに流れていたユー...

news104.jpg

トランプ氏圧勝で気になる「TikTok禁止法」の行方
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利した。これにより、TikTokの米国での将来は...

news190.jpg

インバウンド消費を左右する在日中国人の影響力
アライドアーキテクツは、独自に構築した在日中国人コミュニティーを対象に、在日中国人...