宇宙空間でのクラウドコンピューティング活用を推進するAWS。活用分野の一つが、宇宙空間に漂う不要な「宇宙ごみ」の問題を解決することだという。どのような活路があるのか。
Amazon Web Services(AWS)は、宇宙空間でのクラウドコンピューティング活用を推進している。同社が照準を合わせる分野の一つが「宇宙ごみ」(スペースデブリ)の特定と管理だ。宇宙ごみは、使い終わった人工衛星など、軌道を周回する不要物を指す。
米国の生化学研究者ペギー・ウイットソン氏は、米航空宇宙局(NASA)の元宇宙飛行士だ。AWSが開催する年次イベント「AWS re:Invent 2022」で講演したウイットソン氏は、その中で次のように述べた。「2050年までにスペースデブリを減らす取り組みをしなければ、大半の人工衛星が周回する地球低軌道(LEO)から、人工衛星が抜け出しづらくなることを示す予測結果がある」
人工衛星の打ち上げに当たっては、故障した人工衛星を放置しないで帰還させる必要があるという合意を政府間で交わす。ウイットソン氏は「ある程度はそうすべきだ」という意見を示した上で、こう話す。「人工衛星に燃料を再補給し、改修して、軌道に再び載せる技術や、人工衛星を構成する金属や鉱石を再利用するために、人工衛星を回収する技術が新たな活路になると考えている」
AWSで航空宇宙および人工衛星事業部門のディレクターを務めるクリント・クロシエ氏は、同社に入社する前は宇宙軍作戦部局で宇宙軍計画のディレクターを務めた経験を持つ、元米国空軍少将だ。クロシエ氏もウイットソン氏の意見に賛同し、「人工衛星の軌道で起きていることを検出して識別するための技術が必要になる」と考える。
後編は、AWSのクラウドサービスを活用する宇宙関連ベンダーの事例と、Microsoftの動向を紹介する。
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