じっくり考察する「IPアドレス問題」【第4回】
「IPアドレスの枯渇なんか関係ない」と企業が考える訳 “IPv6必要説”はどこに?
IPアドレスの枯渇問題が話題になってしばらくたった2020年代。企業はまだ問題なく「IPv4」のIPアドレスを使っている。企業はどのような状況にあり、今後どのような判断を求められるのか。
インターネット接続に欠かせない「IPアドレス」の数には上限がある。IPアドレスが枯渇するという問題を受けて、IP(インターネットプロトコル)のバージョン「IPv4」の次世代である「IPv6」が2010年ごろから話題になり、それからしばらくたった。企業は依然として問題なくIPv4のIPアドレス(IPv4アドレス)を使い、問題は棚上げだ。どのような状況なのか。
「IPv4アドレス」を使い続けるのは不正解?
併せて読みたいお薦め記事
連載:じっくり考察する「IPアドレス問題」
- 第1回:実は奥深い「IP」「IPアドレス」や「IPv4」 その仕組みを基礎解説
- 第2回:「IPアドレス」が“枯渇”しても普通にインターネットが使える謎
- 第3回:IPアドレス「IPv4」と「IPv6」は結局何が違う? 数だけではないバージョン論争
IPアドレスにまつわる問題
IPv4アドレスが枯渇するという問題について、インターネットが普及し始めたころから専門家は議論していた。IPv4アドレスの割り当て可能な数は約40億個しかないため、枯渇が問題になるのは明らかだった。IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が使われる中でも、どちらを使うべきかという議論は続いている。
北米でIPアドレスを割り当てているAmerican Registry for Internet Numbers(ARIN)のように、企業に対してIPv6への移行を推奨している団体もある。そうした働き掛けの目的は、IPv4アドレスの完全枯渇を防ぐことだ。
ほとんどの企業はIPv4アドレスを重視している。企業のネットワーク設計において、依然としてIPv4アドレスは欠かせない構成要素となっているからだ。何より、企業のネットワーク技術者はIPv4アドレスの運用に慣れている。
NAT(ネットワークアドレス変換)を使うことで自組織内のプライベートIPアドレス(特定のネットワーク内だけで使用するIPアドレス)を自由に割り当てることができるため、企業はIPv4アドレスの枯渇問題をそれほど気にしていない。プライベートIPアドレスがあれば、グローバルIPアドレス(インターネット接続時に使用するIPアドレス)が重複する問題を気にせずに済む。
ネットワーク運用をより簡単にするために、NATを使用しないことを検討する企業もある。そのような企業は、IPアドレスが枯渇する懸念がなく、暗号化の機能が実装されていたり、通信の劣化しにくさが見込めたりするIPv6を選ぶと考えられる。現状の運用ではなくこの先も考えるのであれば、IPv6が「将来性のある選択肢」になる可能性はある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
Synologyがエンタープライズ向けユニファイドストレージを投入 その実力は
-
5
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
-
6
脱VMwareの最適解 NTTデータと日立製作所が示す国産仮想化基盤
-
7
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
8
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
9
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー