Microsoftが1万人の人員削減を決行する。その裏には“足を引っ張る”事業と、同社が描く将来の展望がある。それはどのようなものなのか。
調査会社Gartnerによると、世界のIT支出は成長しているものの鈍化傾向にある。グローバル市場における2023年のIT支出についてGartnerは、前年比2.4%増の4.5兆ドルになると予測する。2022年第4四半期時点の予測値は5.1%増であり、下方修正した形だ。
Gartnerのアナリストであるジョン・デイビット・ラブロック氏は「企業と一般消費者が直面する経済の実態は、大きく異なる」と述べる。インフレは個人消費に打撃を与えており、世界の景気は低迷している。一方で企業は「ビジネスのデジタル化に向けた投資を増やす姿勢を取り続けている」とラブロック氏は指摘する。
モバイル機器、PC、タブレット、プリンタといったデバイスの支出は、2023年には2022年から5%強減少するとGartnerは予測する。同社によると、企業のデバイス投資は2022年に2021年比で10.6%減少している。こうした市場の動向は、Microsoftが2023年1月に発表した、従業員約1万人の削減と無関係ではない。
「Microsoftはクラウドベンダーへと転身を図るべく、細かい部分で調整をしている」と、人事業界でアナリストとして活動するジョシュ・バーシン氏は語る。そのため「今回の人員削減は同社、顧客、従業員にとってプラスの影響しかもたらさない」とバーシン氏は考えている。
バーシン氏は「Microsoftは市場で最も経営が順調で、安定したIT企業の一社だ」と語る。クラウドサービス群「Microsoft Azure」やオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)をはじめとする同社のクラウドサービスには「爆発的な需要がある」とバーシン氏は指摘する。ただしPC売り上げの低迷に伴うクライアントOS「Windows」のライセンス事業の落ち込みが、同社の収益に影を落としていると同氏はみる。
フリーランスの業界アナリストとして活動するジェフ・カーガン氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)がIT製品と技術職労働者の特需を生み出したと考えている。そのため「パンデミックが収束に向かい始めた今、さまざまな業界の特需は縮小傾向にある」とカーガン氏は指摘する。
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