「脱クラウド」を決定したら、オンプレミスインフラへのアプリケーションの移行作業が必要だ。その際の選択肢として「カナリアリリース」がある。どのような特徴があるのか。注意点とは。
企業はさまざまな理由から、クラウドサービスで稼働させているアプリケーションをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」を選ぶことがある。脱クラウドを実現するアプリケーションの移行方法はさまざまだ。検討の余地がある選択肢を紹介しよう。
脱クラウドに踏み切る場合、アプリケーションのインフラ移行方法として「カナリアリリース」が適している場合がある。問題が起きないことを確認しながら、段階的にアプリケーションの移行を進める方法がカナリアリリースだ。炭鉱でのガス漏れにいち早く気付くために、ガスに敏感に反応するカナリアを持ち込んだことにちなむ。例えばカナリアリリースでは、一部のエンドユーザーからのリクエストだけを移行先のアプリケーションで処理し、その他のエンドユーザーのリクエストは移行元のアプリケーションで処理し続ける。
インフラを一斉に変更する一般的な移行方法で脱クラウドを進める場合、アプリケーションの全てのリクエストを一度にオンプレミスインフラのアプリケーションに転送することになる。カナリアリリースではこうした移行方法とは異なり、アプリケーションの稼働状況を確認しながら段階的に移行させることができる。
カナリアリリースで脱クラウドを進めれば、移行先のオンプレミスインフラに問題が発生しても、全てのエンドユーザーには影響しない。移行作業中に深刻なトラブルが発生した場合にも、クラウドサービスで迅速にアプリケーションを復旧させることが可能だ。
一部のエンドユーザーのリクエストだけを特定のインフラに転送するのは、複雑な作業になる。そのためカナリアリリースは、労力に見合った効果が得られるとは限らない。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。
半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。
システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。
SaaSサービスが普及する一方、製品の多様化に伴い、さまざまな課題が発生している。特にベンダー側では、「商談につながるリードを獲得できない」という悩みを抱える企業が多いようだ。調査結果を基に、その実態と解決策を探る。
生成AIの活用が広がり、LLMやマルチモーダルAIの開発が進む中で、高性能なGPUの確保に問題を抱えている企業は少なくない。GPUのスペック不足を解消するためには、どうすればよいのか。有力な選択肢を紹介する。
クラウド活用で顕在化するコスト増大と活用スキル不足の課題、解決の決め手は? (2025/5/9)
KDDIの通信品質と事業成長を支える“共通インフラデータ基盤”構築の舞台裏 (2025/3/12)
高まるSaaSバックアップ需要で「ストック収益」を拡大するには (2025/1/22)
大和総研に聞く、基幹システムのモダナイズ推進を成功に導いた四つのポイント (2024/12/23)
「オンプレミス仮想化基盤」のモダナイゼーションに最適なクラウド移行の進め方 (2024/11/11)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。