「Microsoft Teams」の利用を前提としたクライアントOSが仮に登場したとすると、そうした“Teams OS”が普及するためには、どのような要素が必要になるのだろうか。その検討を進める上で生じ得る“ある疑問”とは。
Microsoftは、Web会議ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)の利用を前提としたクライアントOSを生み出すのではないか――。こうした“Teams OS”誕生の可能性を考える上で、見逃せないことがある。同社の「Windows」と同様に、独立したクライアントOSとしての普及を考えるのであれば、“Teams OS”には、ある要素が欠かせない。
クラウドサービスやWebサイトの利用に必要なWebブラウザは、クライアントOSにとって不可欠な要素だ。独立したクライアントOSとしての普及を考えるのであれば、“Teams OS”も当然ながらWebブラウザを搭載する必要がある。
Microsoftが“Teams OS”で、同社のWebブラウザ「Microsoft Edge」(以下、Edge)を利用できるようにすることは自然なことだ。ただしWebブラウザでTeamsを利用できることを考えると、ある疑問が生じる。それは、同社はそもそも“Teams OS”ではなく、Edgeの利用を前提としたクライアントOSを開発すればよいのではないか、という疑問だ。
実際にGoogleは、同社のWebブラウザ「Chrome」の利用を前提としたクライアントOS「ChromeOS」を生み出している。Microsoftが“Teams OS”ではなく“Edge OS”を生み出したとしても不思議ではない。
“Teams OS”かどうかはともかく、TeamsまたはEdgeの利用を前提としたクライアントOSが普及すれば、Microsoftはユーザー企業を自社製品/サービスに囲い込みやすくなる。Web会議ツールも、Webブラウザも、業務で頻繁に使用するITツールだからだ。クライアントデバイスの管理とセキュリティの手段として、同社の統合エンドポイント管理(UEM)ツール「Microsoft Intune」の管理対象を広げやすくなる可能性もある。
正直なところ、“Teams OS”がMicrosoftの製品ロードマップにあるかどうかは分からない。ただしTeamsの成長の絶え間なさ、パートナーとの提携関係の広がりようを考えると、“Teams OS”開発計画が進んでいても、おかしくはないと考えられる。
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