高速モバイルを全域に――フランスの「都市5G」が目指すものとは?超高速モバイルは都市を変えるか【中編】

EUからの助成金を受けてプライベート5G整備に取り組むトゥールーズメトロポール。プライベート5Gは通信事業者ではなく、ユーザー組織が主体となって5Gを展開できる。どのような街を目指すのか。

2023年07月31日 05時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 欧州連合(EU)がデジタルインフラへの投資を支援するプログラム「Connecting Europe Facility Digital」(CEF Digital)の助成金を、フランスの都市共同体トゥールーズメトロポールが獲得した。

 CEF Digitalの助成金は、主に市民向け公共サービスの改善を目的としたネットワーク整備事業「European HI5」に支給される。トゥールーズメトロポールはどのような取り組みを進めるのか。

フランス都市圏が「プライベート5G」で目指すイノベーションとは

 European HI5はネットワークの整備事業であり、トゥールーズメトロポールは通信機器ベンダーのNokiaと契約して取り組む。Nokiaは「5G」(第5世代移動通信システム)をユーザー組織が自営網として利用できる「プライベート5G」と、そのバックボーン(基幹通信網)の構築を支援する。Nokiaは、プライベート5Gがイノベーションを育み、地元企業の競争力向上に貢献すると期待している。

 トゥールーズメトロポールはまず、プライベート5Gとそのバックボーンを16平方キロの試験エリアに導入する。この試験エリアでさまざまなユースケースを試した後、同都市圏全域に拡張する計画だ。イベントや運輸、交通、教育、インフラ、セキュリティなどの分野で新サービスの開発に取り組む。具体的なユースケースの一例は以下の通りだ。

  • 公共イベントにおけるグループチャットや通話などのコミュニケーション手段の提供
  • 光ファイバーが届いていない地域へのブロードバンド(広帯域幅)サービスの提供
  • 市民の安全確保を目的とした、映像のリアルタイム分析
  • 地下鉄で移動中に動画視聴ができるサービスの提供

 「地元企業がさまざまなニーズに応じる際にかかるコストが軽減することに期待している」と、トゥールーズメトロポールで副議長を務めるベルトラン・セルプ氏は語る。


 後編は、トゥールーズメトロポールの今回の取り組みを、関係者がどのように評価しているのかを紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news072.jpg

Threadsで目立つ投稿をするには? Metaがフィードアルゴリズムの仕組みに関する洞察を公開
X(旧Twitter)に変わるものとして期待されるMetaの短文投稿SNS「Threads」。Metaが公開...

news061.jpg

マーケターの87%は自分の仕事が生成AIなどのテクノロジーに取って代わられることを懸念――Gartner調査
Gartnerがマーケティング人材に関する調査を実施。環境的不確実性と技術的複雑性の中で、...

news058.jpg

Z世代が旅に求める「令和的非日常」とは?
JTBコミュニケーションデザインと伊藤忠ファッションシステムが、Z世代の旅に関する意識...