IT部門やクラウドチームは、物事をゼロから考える「ゼロベース」のアプローチによって従来のコスト削減を重視する予算管理から脱却できる可能性がある。ゼロベースの予算管理のメリットとデメリットを解説する。
企業のIT部門やクラウドチームは、「コストが掛かる存在だ」と社内で見なされることがある。そのためIT部門やクラウドチームも予算管理において、コスト削減を重視する傾向にある。予算をゼロベース(物事をゼロの状態から検討すること)で管理する考え方によって、こうした状況を打破できる可能性がある。ゼロベースの予算管理のメリットとデメリットを紹介する。
ITチームは、自社に価値をもたらすクラウドサービスに費用を投じたいと考えている。金融コンサルティング企業Paroは、ゼロベースの予算管理の主なメリットとして以下を挙げている。
ゼロベースの予算管理のアプローチが全ての企業に適しているとは限らない。Paroはゼロベースの予算管理に付随する課題として以下のようなものを挙げている。
ゼロベースの予算管理は全ての企業に適しているとは限らない。
調査会社Amalgam InsightsでCEO兼プリンシパルアナリストを務めるヒョン・パーク氏は「ゼロベースの予算管理は優れたアプローチだ」と述べた。その上で「だが、現実問題として、社内の個々の支出と費用を考察して、それぞれの意義と妥当性を特定する作業は容易でない」と語る
「急成長を遂げている企業、安定した収入源を持たない非営利団体や公共部門の機関がゼロベースの予算管理のアプローチを採用するのは難しい」(パーク氏)
「ゼロベースの予算管理プロセスは多国籍企業には不向きである場合もある」とM&A(合併と買収)支援サービスを提供するBeyond M&Aの元最高財務責任者(CFO)で現在は同社の戦略策定と価値創生のパートナーを務めるサイモン・ラトクリフ氏は話す。
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