「Anthos」などマネージド「Kubernetes」をハイブリッドクラウドに使う意味は転換期のハイブリッドクラウド【第4回】

ハイブリッドクラウドの構築に「Kubernetes」を活用しようとする動きがある。Kubernetesを用いる利点と、関連する製品/サービスを紹介する。

2019年10月18日 05時00分 公開
[遠藤文康TechTargetジャパン]

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 企業がクラウドを利用することはもはや当然になったが、全てのアプリケーションをクラウドに移行できるわけではないという現実も浮き彫りになってきた。そのような中で、Amazon Web Services(AWS)やGoogleといったパブリッククラウドに特化したベンダーが、企業のオンプレミスインフラを対象にしたサービスに注力しつつあることは納得できる。こうした中で活発化の兆しがあるのが、オンプレミスとパブリッククラウドを統合運用する「ハイブリッドクラウド」を実現する手段として、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を活用しようとする動きだ。

 Googleは2019年4月にKubernetesベースのハイブリッドクラウド/マルチクラウド構築サービス群「Anthos」を発表した。同社はAnthosの特徴として「利用するインフラは『Google Cloud Platform』(GCP)である必要はない」点を強調している。環境を問わず他のパブリッククラウドにおけるアプリケーションの実行をもサービスの対象としているためだ。

 Anthosは「GKE On-Prem」を中心的なコンポーネントとする。GKE On-Premは、Kubernetesのマネージドサービス(以下、マネージドKubernetes)「Google Kubernetes Engine」(GKE)のオンプレミス版だ。Anthosはその他、マイクロサービスを管理運用するためのサービスメッシュを実装する「Istio」、仮想マシンからコンテナへの移行機能「Migrate for Anthos」をはじめとした関連機能/サービスで構成される。AnthosはAWSや「Microsoft Azure」(Azure)などGCP以外のパブリッククラウドの環境にもまたがってKubernetesのクラスタを管理できる。他のマネージドKubernetesにはAWSが提供する「Amazon EKS」やMicrosoftが提供する「Azure Kubernetes Service」(AKS)などがある。

他のマネージドKubernetesとの違い

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