企業がIT人材の採用をするときに、コンピュータサイエンスの学位を持っているかどうかよりも重視する要素がある。それは何か。
ITベンダーや資格団体が認定する認定資格は古くから存在する。認定資格に対する企業の捉え方は時代によって変化してきた。前編「クラウド認定資格を取ればコンピュータサイエンス学位は不要なのか?」に続く本稿は、認定資格の取得方法の変化と、企業のニーズが高いスキルを説明する。
「15〜20年前まで、企業は認定資格を持つことの価値を低く捉える傾向にあった。『コンピュータサイエンスの学位を取らずに、選択肢問題を解く学習に走っている』と見られていたからだ」と、IT技術者のための求人サイト「HackerRank」の創設者でCEOのビベク・ラビサンカー氏は語る。
今では「コンピュータサイエンスの学位の有無を理由に、自社に必要なITスキルを持った人材を獲得しないということがあってはならない」と考える雇用主も珍しくなくなってきた。クラウドサービスに関するコンサルティングノウハウを共有する業界団体Multi-Cloud Leadership Allianceの創設メンバーであるアダム・クラニッツ氏は「認定資格がIT業界で、新しいスキルの指標として通用するようになっている」と考えている。
認定資格の価値が上がったのは、取得条件として実際の業務や問題解決の経験を挙げる資格が増えたからだ。今やAmazon Web ServicesやMicrosoft、Googleなどの大手クラウドベンダーが認定資格を提供している。
優秀なエンジニアの需要は供給を上回る傾向にある。ただし「エンジニアとして成功したいなら『学位さえあれば、好条件の技術職に就けるだろう』と考えるのではなく、クラウドサービスでのシステム開発経験を積み、企業が求める認定資格を取得しておくのが得策だ」とクラニッツ氏は語る。
次回は、認定資格のメリットと注意点を詳しく掘り下げる。
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