「API」に著作権はあるのか【後編】
Googleの「Java」訴訟勝訴は本当に「開発者の自由」を意味するのか?
「Java」のAPIの著作権を争いGoogleとOracleが繰り広げた法廷闘争とその結末は、さまざまな意見を呼んだ。この判決はソフトウェア開発者にとってどのような意味を持つのか。
Oracleは2010年、Googleを相手に訴訟を起こした。当時Oracleが管理していたプログラミング言語および開発環境「Java」のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)のソースコードをGoogleが「Android」開発で引用したという訴えだ。これに対して米最高裁判所は2021年、Googleのソースコードの利用は著作権法が定める「公正な利用」(フェアユース)に該当するという判決を下した。この判決により、GoogleおよびAndroidの関係者は、さらなる法的措置を起こされる懸念から解放された。
結局「開発者の自由」は守られるのか
今回の判決は、開発者が既存ソースコードを利用する際のあらゆる懸念をなくしたのか。住宅ローン金融機関Quicken Loansの技術文化担当ディレクターであるテッド・ニュワード氏は、今回の判決により開発者が受ける影響は「あまりはっきりしていない」と話す。ニュワード氏はJavaコミュニティーで講演者やコンサルタント、講師として活躍している。
今回の判決は、JavaのAPIのソースコードが法的保護の対象になることを示した。だが巨大企業以外の関係者にとって、どれほど大きな影響を生むのかははっきりしない。例えばソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」のAPIを新しく実装しようとした場合、今回の判決は適用されるのかどうかは明確ではない。「私から見ると、Androidは安全だがそれ以外についてはよく分からないままだ」(ニュワード氏)
ソフトウェア開発者は、既存のAPIを自由に再実装してきた。「OracleはAPI再実装の自由を排除するため、そしてその過程で数十億ドルを得るためにGoogleを提訴した」。カーネギーメロン大学(CMU:Carnegie Mellon University)の教授でSun MicrosystemsとOracle、Googleで働いた経歴を持つジョシュア・ブロック氏は、今回の訴訟をこう総括する。「長くもつれた法廷闘争の末にOracleが敗北し、われわれが勝利した」
ブロック氏は今回の訴訟に深く関わっている。法廷で証言し、CMUでAPIの設計を教え、複数の法廷助言書を共同で執筆したこともある。
オンラインメディア「Berkeleyside」を運営するCitysideのチェアマンオブザボードであり、データサイエンス分野の非営利団体Cloudera Foundationで理事を務めるマイク・オルソン氏は、データ分析技術を扱うClouderaの元CEO兼最高戦略責任者でもある。オルソン氏は最高裁判所の判断を「正しい」と評価する。「開発者として、ビジネスパーソンとして、今回の判決を歓迎する。ソフトウェアの基盤となる部分は独自に開発しなければならないが、APIは再利用できるようにする必要がある」(同氏)
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