Nexsanはエッジ向けのNAS「EZ-NAS」を発表した。中堅・中小企業のニーズに照準を合わせた製品だという。製品の特徴と、中堅・中小企業が必要とするNASの要件とは。
2022年6月、ストレージベンダーのNexsanは小型NAS(ネットワーク接続ストレージ)「EZ-NAS」を発表した。バックアップのデータをエッジ(端末の近く)で保存する必要のある中堅・中小企業に適した製品だという。
EZ-NASは分散ファイルシステムのNFS(Network File System)と、ファイル共有プロトコルのSMB(Server Message Block)を利用できる。EZ-NASの最大容量は72TB、スループット(データ転送速度)は最大で毎秒1.5GBとなっている。データのバックアップには、Retrospectのバックアップソフトウェアを利用できる。RetrospectとNexsanは、いずれもデータ管理ツールベンダーStorCentricの傘下に入っている。
StorCentricの最高技術責任者(CTO)を務めるスルヤ・バラナシ氏によると、エッジでデータの処理や分析を実施する「エッジコンピューティング」の導入が広がりつつある。それに伴い、データをエッジで保管するストレージの需要が高まっているという。
EZ-NASは1U(ユニット)サイズで、ストレージインタフェース規格「SATA」(Serial ATA)で接続するHDDを4台使っている。ユーザー企業は頻繁に利用するデータの保管用としてSATA接続SSDを追加することもできるが、HDDにNAND型フラッシュメモリが搭載されるようになったため、SSDを追加する必要はないとバラナシ氏は話す。
エッジのデータ量が増大する要因の一つは、動画だとバラナシ氏は指摘する。特に高画質の動画は、カメラ用のストレージの容量を逼迫(ひっぱく)させる。EZ-NASを導入することで、ユーザー企業は動画データをいったんEZ-NASで保存し、そこから必要に応じてクラウドストレージなどその他のストレージへ移動させる運用が可能となる。
バラナシ氏によると、中堅・中小企業がエッジで利用するNASには、平均で20〜25TBの容量が必要だという。EZ-NASの容量はそれを上回る。「余裕があるのは良いことだが、必要以上に容量を確保しなくてもよい」とバラナシ氏は語る。
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