“物静かなメインフレーム担当者”がクラウドに「ノー」を宣告メインフレームの価値を再考【前編】

メインフレームは、それがなければ先進国の経済の大部分がまひしてしまうほどに重要だが、しばしば批判にさらされる。そうした批判に反論しなければならないときがある。

2023年01月27日 05時00分 公開
[Dale VileTechTarget]

 メインフレームに関わる人は、メインフレームの本当の価値をあまり語らない。そうした“物静かな人”がメインフレームについて何か主張をするのは、根拠のない理由でメインフレームが手ひどくけなされるときだ。筆者の知人は2022年夏、ある理由から、メインフレームへの批判に本気で反論しなければならなくなった。

メインフレーム批判に「ノー」を突き付ける

 IBMのメインフレーム「IBM zSystems」シリーズの最新モデル「IBM z16」が2022年夏に発表されたとき、一部の業界関係者からある疑問が投げ掛けられた。

  • これによってメインフレームはクラウドに追い付くのか

といった問いだ。

 これに対して調査会社Freeform Dynamicsで働く筆者の同僚、トニー・ロック氏は非常に的確に反論した。ロック氏はブログに、

  • クラウドはメインフレームに追い付いたのか

というタイトルのエントリ(投稿)を公開した。「メインフレームはクラウドに追い付くのか」という疑問に対するロック氏の答えは当然「ノー」。それどころか、問いの出し方が適格ではなかったことを示唆した。

 ソフトウェアベンダーUNICOM Globalの子会社であるMacro 4は2022年11月下旬、メインフレームに関する、ある説明会を実施した。筆者はロック氏と共にその説明会に参加できたことがうれしかった。その説明会では、メインフレームに関する興味深い動向が語られたからだ。

 Macro 4はその説明会で、2022年11月に公開した調査結果について報告した。調査はメインフレームユーザー54人を対象に、メインフレームへの今後の投資計画について問う内容だった。それによれば、回答者の83%は、さまざまなモダナイゼーション(最新化)の取り組みを通じて、メインフレームへの投資を継続すると答えた。モダナイゼーションの内容としては、46%の回答者が、クラウドサービスとメインフレームを連携させてハイブリッドクラウドとして利用する、と回答した。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。