企業のデータセンターにおいて、ストレージのデータ削減機能を利用することは当たり前になってきた。データ削減はどのような仕組みでメリットを生むのか。具体的なストレージ製品を例にして紹介する。
SSDが普及する動きに合わせ、企業のデータセンターで一段と利用が広がってきたデータ削減。どのような仕組みによってデータ削減のメリットが出るのか。主要ストレージを例に見てみよう。
Pure Storageの「FlashArray」シリーズは、容量を節約する複数のデータ削減機能を組み込んでいるオールフラッシュストレージだ。反復するデータのパターンを識別して削除する重複排除は、4〜32KBの可変長のブロックサイズ(格納するデータ単位のサイズ)で実行できる。処理はデータを書き込む前に実行するインライン型となっている。重複排除により、一意のブロックのみをストレージに保存する。重複排除は、ストレージアレイ全体にわたって適用できる。
インライン方式の圧縮によって、使用容量を減らすことができる。それに加えて、圧縮のための別のアルゴリズムを適用することで、インライン方式の圧縮後にさらにデータ量を削減する機能も備える。
VAST Dataのストレージ製品は、データを64KBまでの可変のブロックサイズに分割する適応型チャンク(チャンクは「断片化したひとまとまりのデータ」の意味)化の技術を採用している。データ削減機能は、仮想的なストレージ領域内で実行する。
重複排除においては、まず重複するブロックを特定し、その後ハッシュ関数(任意のデータから識別情報を作成するための処理)によってデータの類似性を探し、自動的に圧縮を掛ける。それに加えて、新しいデータが入ってきた場合は差分のデータを圧縮する仕組み(差分符号化)によって、容量を節約する機能も備える。
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