ネットワークをサービスとして利用するNaaSには、現状は3つの提供形態がある。それぞれの提供形態のメリットと、活用例を解説する。
ネットワークやそのインフラをサブスクリプション形式で利用する「NaaS」の現状について、ネットワークのオープン化を目指す団体ONUG(Open Networking User Group)は標準化や企業の導入が遅れていると指摘した。発展途上にあるNaaSは、どのような形で利用できるのか。活用例を含めて解説する。
ONUGによれば、NaaSは以下の3つの形式で利用が可能だ。
マネージドサービスでのNaaSは、マネージドサービスプロバイダー(MSP)が製品やシステムをすぐに利用できる状態で納品する「ターンキーサービス」として利用できる点がメリットだ。
Verizon Business Global SolutionsのNaaS担当アソシエイトフェローであるケン・パテル氏は、「ユーザーはMSPの専門知識を活用しながら、自社が望むようにネットワークをコントロールできる」と語る。ただし、この場合はネットワークのインフラをMSPが提供するとは限らない。そのためサービスや機能に関する変更が、他のNaaSより遅くなる可能性がある。
PaaSでは、PaaS事業者がネットワークのインフラをNaaSとしてユーザーに提供する。PaaSのインフラには、企業のオンプレミスシステムやIaaSを結ぶ専用線が含まれる。そのWANを仮想化して扱えるため、オンデマンドでネットワークの機能やサービスを利用したり、拡縮をしたりできる。
IaaSはDIY(Do It Yourself)でネットワークの機能を利用したい企業に向いている。ITサービスベンダーのMicrolandでCTO(最高技術責任者)を務めるロバート・ワイソッキ氏は、「IaaS形式のNaaSのメリットはポリシーをより厳密に管理できることだ」と説明する。
NaaSの活用例にはどのようなものがあるのか。ネットワークサービスベンダーのAT&T Businessでシニアディレクターを務めるリッキー・ツイ氏は「新型コロナウイルスに関する期間限定のWebサイトを立ち上げた企業向けに、NaaSを提供した」と話す。「企業はネットワークへの投資を過剰にしてしまうことを防ぐため、従量課金制のサービスを望んでいる」(ツイ氏)
医療サービスを提供するCigna Healthcareのバイスプレジデントを務めるクリス・モレッティ氏によれば、M&A(合併と買収)において吸収する側の企業と吸収される企業が、セキュリティポリシーやネットワーク機器の設定などを統合するのにNaaSが役に立つという。
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