かつて技術変化に対する危機感と信念に燃えた若手システム・エンジニアたちが、人知れずに研究を続ける「アングラ研究」は、IT部門の経営者たちから絶対的な技術の仕組みと思われていました。しかし現代の企業から、そのアングラ研究が消え始めています。ITにおけるアングラ研究、かつて見られた迫力はどこに消え去ったのでしょうか?
昨今のSOX法対応の影響もあって企業のIT部門から、若手社員による遊び心豊かな「アングラ研究」が消え始めています。アングラ研究というのは元来、製造メーカーの研究開発部門の用語です。会社の方針に合致しない研究(R&D)は、予算も付かず、ABC分析や目標管理などにおける時間管理にも現れません。
そこで製薬業や電機会社など伝統的な製造メーカーでは、優れた若手研究者が会社の方針に沿わない研究・開発を提案してきた場合、マネジャーは表面では駄目と判断する半面、これを非公式な研究、夜なべ仕事的な研究として黙って許容する雰囲気や環境がありました。ある意味、上司の裁量で若手社員を意図的に遊ばせていた訳ですね。これがテーブルの下や地下で行われる「アングラ研究」です。昨今では米国グーグル社が得意な領域として、再度注目されています。
確かに会社の景気がよい時には、主流の製品が予定通り売れます。だから会社が安泰な時には、アングラ研究など必要ありません。しかし大きく技術が変化したり、突然、他の業界から強力な参入者が新製品を持って登場した場合など、これまでの主力商品の売り上げが止まったり、伸びなくなることがあります。
そういう時には人知れず続けていたアングラ研究が突然、日の目を見て、会社の危機を救うということがあります。NHKの看板番組となった「プロジェクトX」を見ると、ビデオ・テープレコーダーのVHS規格競争など感動を誘う成功事例の中には、明らかにアングラ研究の成果と思われるものが多数あります。それにしても、あの番組の幾つかには、すさまじい迫力がありましたね。
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