21世紀の企業では正社員の数が減少し、派遣社員やアルバイト社員の割り合いが増えてきています。会社にとっては単なる労働力でも、彼らは働く意味を無意識のうちに探しており、関わる仕事の内容は納期やプロダクツの品質に影響します。そんな彼らの仕事に対する動機付けには、いったい何が必要なのでしょうか?
最近、多少逆の現象も起きていると言われていますが、90年代のリストラ期が終焉し、21世紀の本格的な知識・情報社会が到来する中で、企業では正社員の数が減少し、派遣社員やアルバイト社員の数がうなぎ上りに増えています。できるだけ職務内容をパターン化し、いつでも置き換えの可能な派遣社員やアルバイト社員の皆さんに任せれば、人件費に関わるコストが安くて済むではないかという訳ですね。一方、派遣社員やアルバイト社員の数や社員の中での割合が増え、低い定着率に悩んでいる会社も結構あります。その結果、プロジェクト・マネジメントの穴が開けば、ソフトウェアの納期や品質に問題が生じかねません。彼らや彼女らも1人の人間であり、社会で生きている市民です。彼らをどうやって動機付けすべきなのでしょうか?
2006年の始め、ある有名新聞の記事に「アルバイト社員一人一人に入社式を行い、辞令を渡す三セク温泉・ござらっせ」の話が載っていました。
この結果、アルバイト社員の定着率が向上し、退職者がほぼゼロになったという話です。
これは元ヒルトンの営業マンから転じたマネジャーのアイデアだそうですが、それまで愛知県の温泉「ござらっせ」は低いアルバイト社員の定着率に悩んでいました。
アルバイト社員は単に無機質な労働力と見なされがちですが、それではちょっと仕事が忙しいとすぐ辞めてしまいます。
同社の狙いはアルバイト社員に対して「入社式と辞令の手渡し」という一種の「通過儀礼」を行うことにより、感動を引き出し、軽く自分探しをしてもらい、定着率の向上と生産性を高めた訳ですね。
「通過儀礼」というのは人類学の用語ですが、分かりやすく言えば昔、侍が「元服」して部屋住みの身から一人前の武士として認められる時の儀式などを意味しました。女性が独身から妻へと社会的立場を変える時には「結婚式」という「通過儀礼」を行います。
会社では新入社員が入ってくると「入社式」の後、一定期間、皆一カ所(通常は研修所)に集められ、「新人研修」が行われます。この手の研修は通常、2週間程度の短い期間から6カ月の長期に及ぶ場合もあります。その間に新入社員の皆さんは心の持ち方も、行動も「学生の自分」から「社会人の自分」へと脱皮していく訳ですね。
昔、アフリカの部族を観察していた人類学研究者は、子供の身分から一人前の大人の身分へと移行する際、同年輩の若者が合宿をして一定期間、過ごす風習があるのを発見しました。そしてこれを「通過儀礼」と名づけました。
「入社式」から「新人研修」に至る一連の過程は明らかに現代の「通過儀礼」な訳ですね。
動機付け理論から言えば、「通過儀礼」は学生から社員への社会的立場の違いを自覚するための時の流れと言えます。
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