鍵になるのは信頼性
時代遅れの「T1/E1」回線を今あえて使う3つのメリット
T1回線とE1回線は古い技術だが、インターネット回線はない3つのメリットがある。それを具体的に紹介する。
インターネットをウサギに例えるなら、通信規格の「T1」と「E1」に準拠した回線はカメのような存在だ。データ伝送速度は、T1回線は1.544Mbps、E1回線は2.048Mbpsで、格安のインターネット回線には速度では太刀打ちできない。ただしレガシーな専用線サービスであるT1/E1回線には、インターネット回線よりも優れている点がある。アプリケーションによっては特殊な要件がある可能性もあるため、企業はT1/E1回線について知っておく必要がある。
T1/E1回線は、一言で言えば専用線だ。T1回線は北米、E1回線はヨーロッパを中心に使用されている。T1/F1回線は、一般的なインターネット回線とは異なる魅力的な特性がある。T1/E1回線のメリットを詳しく見てみる。
メリット1.高いセキュリティ
企業は、インターネットでVPNなどの暗号化技術を利用することはできる。T1/E1回線は専用線の性質上、公共のインターネットよりもセキュリティを確保しやすい。他のユーザー企業と共有しないため、データがコピーされたり、改ざんされたりする可能性は極めて低い。データ伝送速度よりセキュリティが重要なアプリケーションでは、T1/E1回線が解決策になる可能性がある。
メリット2.パケットロスがなく一定した遅延
専用線は原則として他社と共有しないため、データ伝送速度の安定性や予測可能性が高い。インターネット回線では通常、企業はパケットロスと遅延を考慮する必要がある。インターネットサービスプロバイダー(IPA)が過剰にエンドユーザーを割り当てたり、トラフィックが異常に多っかたりする場合、パケットロスや大きな遅延が発生し、UX(ユーザー経験価値)を低下させる可能性がある。
インターネット回線におけるこの種の問題がT1/E1回線で起こる可能性は低い。ただしユーザー企業は、エンドユーザーが回線容量の限度を超えるデータを送信しないように管理する必要がある。
T1/E1回線では、インターネット回線のように遅延の時間が変化することはまずない。インターネット回線では、ホップ(ルーター)を経由するごとにパケットの遅延が増加する。さらに特定のホップでの負荷状況によって遅延が大幅に増加する可能性がある。音声を含む特定の種類のトラフィックの場合、遅延の変化で問題が生じる場合がある。
T1/E1回線では、データが回線内を移動するのにある程度の時間を必要とするため、多少の遅延が発生する。違いは、インターネット回線のように時間の経過とともに遅延が変化しないことだ。そのためアプリケーションが遅延の変化に左右されることはまずない。
メリット3.上りと下りで同一のデータ伝送速度
一般的なインターネット回線とは異なり、T1/E1回線は送受信が対称になっている。T1回線のデータ伝送速度は上り1.544Mbps、下り1.544Mbpsで、E1回線は上りと下りで同じ2.048Mbpsだ。ADSL(非対称デジタル加入者線)などの一般的なインターネット回線では送受信が非対称で、上り速度よりも下り速度の方が遙かに速い。
トラフィックの大部分が下りのアプリケーションでは、インターネット回線の非対称性は許容範囲内だ。しかし多くのビジネスアプリケーションは、両方向にかなりの量のトラフィックを必要とする。そのような場合、T1/E1回線の対称性は大きなメリットになる。
T1/E1回線は確かに古い技術だが、いずれもよく理解されており信頼性が非常に高い。特定のアプリケーションには適している可能性がある。
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