「5G」×「IoT」で自動化し得る3つのプロセス「5G」がもたらす「IoT」の変化【後編】

IoTデバイス同士をつなぐネットワークとして「5G」を活用することで、さまざまなプロセスの自動化を実現しやすくなる。具体的に何の自動化につながるのだろうか。

2020年07月15日 05時00分 公開
[Bruce KornfeldTechTarget]

 IoT(モノのインターネット)は、データを生み出すデバイスをネットワーク接続することで実現する。「5G」(第5世代移動通信システム)のような高速なデータ伝送が実現する無線ネットワークを利用することで、単にデータを収集して分析するだけでなく、さまざまなプロセスの自動化につなげられる可能性がある。

 5Gはスマートフォンなどのモバイルデバイスのデータ伝送を高速化するだけでなく、IoTの分野に大きな影響を及ぼす。5GでIoTデバイス同士を接続すれば、例えば工場のプロセス制御を自動化し、生産現場の運用を刷新できる可能性がある。5Gの特徴である高速なデータ伝送を生かせば、IoTデバイスが生み出すデータをほぼリアルタイムで収集でき、自動化を実現しやすくなる。5GとIoTデバイスの組み合わせが、プロセスの自動化に貢献し得る主要な用途を以下で紹介する。

用途1.工場の運用

 工場の運用を自動化すれば、人件費などの経費の節約につながる。食品加工会社が工場の運用自動化を実現すれば、調理工程における温度管理を自動化して加熱し過ぎや加熱不足を防いで、商品の品質を向上させたり、廃棄を減らしたりできる。

用途2.交通整理

 交通情報に関するアラートの発出やルート設定を自動化できれば、事故発生率の減少につながる。社会インフラを効率的に構築・運用する「スマートシティー」の実現にも役立つ。

用途3.自動車の運転

 管制センターにいる人が責任を持って、交通パターンを基に経路を設定したりモニタリングを実施したりすることで半自動運転を実現できれば、ドライバーの安全確保につながる。

5Gの本格的な導入期に備えて

 5Gの本格的な導入時期はまだ来ていないが、実用化は始まっている。調査会社Gartnerの報告書によれば、5Gはエッジコンピューティングの重要な推進役になり得る。ただし5Gが、その潜在能力をフルに発揮するのは、もう少し先になる見通しだ。

 エッジ分野における技術進化は速く、5Gのセキュリティ面の課題を解消する製品も登場している。安心して5Gを活用できる未来はすぐそこにある。IT管理者はその時に備えて、自社のIoT戦略に5Gをどう取り入れるかを考え始めなければならない。

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