企業ネットワークのありがちな問題として、リソース使用率が高いためのパフォーマンス低下がある。どのアクションを起こせば解決できるのか。さまざまなノウハウを紹介する。
日頃、さまざまなトラブルが起きやすいネットワーク。どうすれば快適に利用できるのか。第1回「無線LANがつながらないのはキャビネットのせい? 通信トラブルの対策集」は「ネットワーク速度の低下」「無線LAN信号のトラブル」「接続の物理的な問題」を考えた。第2回となる本稿は、「CPUの過度の使用」と「DNS照合速度の低下」について説明する。
CPUやメモリ、ディスク領域などのシステムリソースの使用率が高いアプリケーションを見つけるために、有効なのがタスクマネジャーだ。ただしアプリケーションの中には複雑な計算を実行したり、大容量動画を受信したりするものがあるため、タスクマネジャーでは問題が明らかにならない場合もある。システムに入り込んだマルウェアがリソースを消費する場合も想定しなければならない。そのためマルウェア対策ソフトウェアが最新状態になっていることを確認することが重要だ。
長時間実行されているアプリケーションは、リソースを徐々に占有する恐れがある。データ伝送速度などのパフォーマンスを向上させるために最も簡単な方法は、そのアプリケーションを停止することだ。ただし場合によってはシステム全体の停止と再起動が必要になることもあるので、注意しなければならない。他にもデバイスドライバのアップデートによって、パフォーマンスが改善する可能性がある。
「DNS」(Domain Name System)は、人が理解できるドメイン名を機械が理解できるIPアドレスに変換する「名前解決」の仕組みだ。よく使われるドメイン名は、既にシステムのDNSキャッシュに格納されている可能性が高いため、迅速に照合できる。あまり使われないドメイン名は、距離の離れたルートサーバのキャッシュに格納されている可能性がある。例えば「.com」「.org」「.uk」のようなドメインが考えられる。
照合に際して、DNSサーバは自身のキャッシュをチェックしてから次のDNSサーバに要求を出す。次のDNSサーバが、また自身のキャッシュをチェックする――。このプロセスが繰り返される。照合速度が遅くなる場合は、DNSサーバ間の通信速度が低下しているか、DNSサーバが過負荷状態になっている恐れがある。こうした場合は、ローカルルーターの構成をやり直し、要求の送り先を、より高速通信が可能な経路に切り替えるとよい。
第3回は、「静的IPアドレスの重複」と「IPアドレスの枯渇(こかつ)」を取り上げる。
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