ゲーミフィケーションアプリケーションの設計には行動心理学の知見が求められ、開発の手間も小さくない。それでも専門家は、可能な限り“ある体験”をもたらすように設計することが大切だと主張する。
最高情報責任者(CIO)とアプリケーションアーキテクト(アーキテクトはもともと「建築家」や「設計者」の意味)の役割は異なり、ある場面では競合することもある。開発時のハードルを解消できるなら、ゲーム以外の活動にゲームの仕組みを利用する「ゲーミフィケーション」のアプリケーションの有用性が理解しやすくなる。
ゲーミフィケーションアプリケーションの設計を支援するコンサルティング会社Engaginglabの創業者でCEOのローマン・ラクウィッツ氏は、アプリケーションアーキテクトは「従業員の個人的な遍歴、すなわちライフサイクル全体に目を配らなければならない」と強調する。
ラクウィッツ氏はアプリケーションアーキテクトに対して、「趣味やスポーツはどのように観客を夢中にさせているか」に目を向けるようアドバイスする。同氏によると、ゲームは障害を克服することだ。ゲームでは、エンドユーザーは決定を下すことによって、自分の目の前で旅が展開する。「私たちは何かを解決することを強いられる。それを解決すると、次のレベルが待っている」(同氏)。エンドユーザーは先に進みたければ、もっと上達しなければならない。
実例の一つに、販売管理システムベンダーのsell & pickが開発したソフトウェアがある。同社のツールは、データ分析によってエンドユーザーが「自分は仕事のどのようなポイントが得意で、どこを改善する必要があるのか」を学ぶのに役立つ仕組みを搭載している。同社が提供する給仕係向けのリアルタイムツールには、データを収集してパターンを分析する機能がある。エンドユーザーは自分なりのやり方で、ツールが示すフィードバックに反応できる。
第5回は、ビジネスにゲーミフィケーション手法を取り入れた企業の事例を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。
新規顧客獲得と既存顧客のLTV向上、それぞれのCRO(コンバージョン率最適化)について
連載第4回の今回は、新規顧客の獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)、それぞれのCRO(コ...
「広報」への期待 B2BとB2Cの違いは?
日本広報学会が上場企業経営者を対象に「広報の定義」に関する意識調査を実施した。