メインフレーム担当者は、クラウドサービスの勢いに尻込みしてはいけない。その理由と、メインフレームについて主張すべき点とは。
メインフレームは現役で重要なシステムを支えている。それにもかかわらず、クラウドサービスの勢いに押され、メインフレーム担当者の肩身は狭くなるばかりだ。この流れをそのまま受け止めていいのか。打開策を考えてみよう。
調査会社Freeform Dynamicsのアナリストである筆者は、ソフトウェアベンダーMacro 4のCTO(最高技術責任者)を務めるニール・エバンズ氏、メインフレームR&Dマネジャーのマイケル・ハリス氏と議論を交わした。「なぜメインフレームは正当に評価されていないのか」についてだ。この点を掘り下げ、2つの側面において見解が一致した。
1つ目は、メインフレームの代表格である「IBM zSystems」シリーズに、IBMが過去10年ほどの間に導入した機能や技術と、それらが生み出すビジネス面の価値について、ユーザー企業がよく理解していない点。2つ目は、新しいディスラプティブ(創造的破壊をもたらす性質があること)な技術や製品に、どのような制約やデメリットがあるのかについても、ユーザー企業が十分に理解していない点だ。
こうした理解不足が根底にあり、ユーザー企業はメインフレームについて何か主張をしたり、メインフレームの代替としてクラウドサービスを売り込んでくる誰かと論争をしたりすることが難しい状況に置かれている。
メインフレームの重要性を語るエバンズ氏、ハリス氏と話していて印象的だったのは、その自信と率直さだ。両氏はメインフレームについてだけではなく、ITのさまざまな分野に精通していた。例えば、
などに関する話題だ。両氏はこれらの話題を交え、バランスの取れた包括的な観点から、
を明確に説明してくれた。こうした観点を踏まえてメインフレームについて語ると、メインフレームがなぜ重要なのかについて、説得力が増すことが分かった。
Macro 4との議論を経て筆者が得た結論は、「パブリッククラウドこそが答えだ」という誰かの主張を、うのみにしてはいけないことだ。IT分野のさまざまな観点を取り入れて、自身の考え方を少し変えてみるといい。そうすれば、メインフレーム担当者が自身の仕事のパフォーマンスを引き上げたり、メインフレームの可能性をより発揮させたりすることにつながる可能性がある。
メインフレーム担当者は、好奇心を持って行動し、知識や自信を付ける時間を作るとよい。IBM zSystemsの開発状況や、メインフレーム以外の選択肢の制約について理解が深まれば、メインフレームについての自身の主張を的確に述べ、それに反論する人と対等に議論を交わすことができるようになるはずだ。
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