いまさら聞けない「クラウドネットワーク」とは? クラウドの真価を引き出す鍵定番から応用までネットワークを学ぶ【第4回】

ネットワークは、その目的や規模によって、幾つもの種類に分かれる。クラウドサービスの品質を左右する「クラウドネットワーク」について解説する。

2024年11月28日 08時00分 公開
[Deanna DarahTechTarget]

 ITシステムにおいて、ネットワークは情報伝達の要だ。ネットワーク担当者はさまざまなネットワークの特性を理解することで適切な設計につながり、ネットワークの性能を引き出すことができる。特にクラウドサービスの品質はネットワークの性能によって大きく左右される。クラウドサービス内のリソース間を接続する「クラウドネットワーク」について解説する。

クラウドサービスの性能を引き出すネットワークとは

会員登録(無料)が必要です

 クラウドサービス内のサーバや仮想マシン(VM)、ストレージ、アプリケーションなどのリソースを相互接続する仮想的なネットワークを指す。クラウドネットワークはクラウドコンピューティングに欠かせない。

 企業が自社のネットワークをクラウドサービスのネットワークに移行および統合できれば、LANやWANなどのネットワークをインターネット経由で管理できる。

 クラウドネットワークの主な特徴は以下の通りだ

  • 拡張性
    • クラウドサービスベンダーは必要に応じてリソースをスケールアップまたはスケールダウンできる。そのため、コンピューティングや帯域幅の要件に応じてネットワークを最適化できる
  • コスト削減
    • クラウドサービスベンダーが要件に応じてリソースの使用量を変更するため、企業はネットワークの過剰プロビジョニングを防止でき、コストを削減しやすくなる
    • 仮想化したネットワークインフラの方が、物理的なネットワークインフラに比べて導入と保守のコストが安価になる傾向にあるため、コストの削減を期待できる
  • 信頼性
    • クラウドサービスベンダーはフェイルオーバー(待機系への切り替え)や冗長性機能など、信頼性を高める手段を幾つも用意している

 クラウドネットワークの主なユースケースは以下の通りだ。

  • テレワーク
    • クラウドネットワークに保存されたデータにエンドユーザーはどこからでもインターネット回線を利用してアクセスできるため、クラウドネットワークはテレワークに適している
  • マネージドサービス
    • ネットワークの管理業務を外注したいと考えている企業は、外注先がインフラや接続を管理するために結果としてクラウドネットワークを導入する

 次回は「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)について紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

技術文書・技術解説 株式会社ソラコム

IoTデバイス導入ガイド:概念から選定・導入時に押さえておきたいポイントまで

IoTという言葉は知っているものの、ビジネスの場でどのように活用すればよいのか分からないという声も多い。こうした声に応えるべく、IoTの基本的な概念から、IoTデバイスの選定・導入時に押さえておきたいポイントまでを解説する。

市場調査・トレンド 株式会社ソラコム

今さら聞けない「DXとIoT」、基本知識から最初の一歩を踏み出す具体策まで解説

DXやIoTという言葉は知っているものの、それが何を意味し、ビジネスの現場にどのように採り入れられているのか分からないという声は意外と多い。そこで、DXとIoTについて、基本知識から実現方法まで詳しく解説する。

製品資料 アルテリア・ネットワークス株式会社

VPNの「パフォーマンス」や「セキュリティ」の課題を解決するための秘策とは?

インターネットVPNサービスの市場規模は増加傾向にあるが、パフォーマンスやセキュリティなどの課題が顕在化している。VPNの利用状況などのデータを基にこれらの課題を考察し、次世代インターネットVPNサービスの利点と可能性を探る。

製品資料 東京エレクトロン デバイス株式会社

ネットワーク環境の課題を解決し、ネットワークの構築と運用を簡素化する方法

ネットワークに関して、「環境の構築・運用管理に手間やコストがかかる」などの課題を抱える企業は多い。そこで注目されているのが、1つのプラットフォームによる管理で運用負荷低減やトラブル対応効率化を実現するソリューションだ。

事例 東京エレクトロン デバイス株式会社

仮想化技術でマルチテナント型の大規模ネットワークを構築、事例に学ぶ実践術

現代のネットワークには組織ごとに多彩なニーズが求められる。それらに応えるためのネットワーク環境を構築するには大きな手間がかかる。本資料では仮想化技術の採用でマルチテナント型の高速ネットワーク環境を構築した事例を紹介する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news253.jpg

「AIエージェント」はデジタルマーケティングをどう高度化するのか
電通デジタルはAIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」の大型アップ...

news163.jpg

「政府」「メディア」への信頼度は日本が最低 どうしてこうなった?
「信頼」に関する年次消費者意識調査の結果から、日本においても社会的な不満・憤りが大...