管理者が休暇中の今、システム障害が発生したらどうする?最新記事ランキングから編集部おすすめ記事を紹介

夏季休暇を取る従業員が多い今週、もし自社で大規模なシステム障害が発生したら――。最新記事ランキングから編集部おすすめ記事を紹介します。

2015年08月14日 15時30分 公開
[TechTargetジャパン]

今、大規模なシステム障害が発生したら、どうする?

photo 米ニューヨーク証券取引所Webサイト《クリックで拡大》

 編集部のお薦め記事は、7位「今日もまたコンピュータが動かない――その理由と対策」です。この記事では、米紙The Wall Street Journal、米ニューヨーク証券取引所、米航空会社United Airlinesなど有名企業がデータセンターのシステム障害トラブルに見舞われる事態が相次いでいることを紹介。米TechTargetの顧問委員が、どうすればこうした障害を回避できるかを解説しています。夏季休暇を取る従業員が多い今週、もし自社で大規模なシステム障害が発生したら――。今回は、有名企業や大規模システムの障害に関する記事を紹介します。

ニューヨーク証券取引所を襲ったシステム停止

 2015年7月8日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)、米航空会社United Airlines、米紙The Wall Street Journalで相次いで発生したシステム障害に関する記事です。これら3つのシステム障害の発生から復旧までの経緯を追いかけていますが、特に、4時間近くにわたってシステムが停止したNYSEのケースを詳細にリポートしています。NYSEはWebサイトの「Market Status History(市場ステータス履歴)」ページで障害後に発表した報告の中で、「ゲートウェイのソフトウェア更新がきっかけでシステム障害が発生した」と説明しています。専門家の意見を交え、ハッカーによる攻撃の可能性も視野に入れながら、ソフトウェア更新の自動化など再発防止の方法も含めて解説しています。

多くのユーザーのメールを紛失した「Gmail」の障害

 米Googleで2011年に発生したメール障害についての記事です。ニューヨークで行われたあるイベントでGoogleのスタッフが語った内容を中心に記事を構成しています。メールサービス「Gmail」の障害では、多くユーザーのメールを紛失し、それをすぐに復旧する必要ありました。その際に実施した、大規模な分散サーバインフラにおける大量データのバックアップ/復元方法について解説しています。さまざまな先進的な技術で画期的なサービスを展開しているGoogleが、テープによるバックアップ/復元を採用していることに驚く読者も多いかもしれませんが、大規模システムにおけるテープバックアップの重要性についてあらためて考えさせてくれます。

写真共有サービスが抱えていた大きな問題点とは?

 2013~2014年にかけて写真共有サービス「PlayMemories Online」でシステム障害を頻発させたソニーの事例についての記事です。アマゾン データ サービス ジャパンが2015年6月に開催したイベントで、ソニーの担当者が当時の障害について語った内容をまとめています。障害が発生したシステムは、AWSで構築したIaaS共通基盤に、ユーザープロファイル管理機能やログ管理システム、デバイス(カメラなど)との連係を管理するシステム、検索・分析・レコメンドなどの各種エンジン、データベースといった多くの機能を集約したものでした。このシステムが抱えていた2つの大きな問題点と苦い経験を乗り越えて構築した新システムの要件を詳しく解説しています。

隣国を襲った大規模なサイバー攻撃

 2013年3月20日に韓国で発生した大規模サイバー攻撃、通称「320サイバーテロ」についての記事です。金融機関や放送局のコンピュータの一斉ダウンを引き起こした事件について、直接事態の収拾や検証に当たった韓国政府のタスクフォースメンバーが語った内容をリポートしています。金融機関や放送局のシステムは、社会インフラともいえるものであり、ひとたび障害が発生すれば、数字で換算できる被害だけでなく、社会全体に大きな動揺を引き起こします。被害内容や攻撃手法の詳細とともに、企業が学び取れる教訓と対策を3つのポイントにまとめています。「脅威の形態は、既に存在している脆弱性を狙うゼロデイの脅威から、予兆なしに攻撃が発生するアンノウンの脅威に移行している」と指摘しており、セキュリティ対策の見直しをする上で役立つ記事となっています。

障害対応から学べる教訓とは

 2012年6月20日に発生した、レンタルサーバ事業者のファーストサーバの大規模データ消失事故を例に、利用者がどれくらいの損害賠償を求めることができるかを解説した記事です。事件の概要を解説するとともに、実際にファーストサーバが被害者に示した賠償内容などを整理しています。その上で、万が一データ流出など被害にあった場合の法的な論点を解説しており、すぐに相談できる専門家がいない企業にとっては大変参考になる記事となっています。フローチャートを用いて基本的な事案のとらえ方が示されている他、免責と重過失を考える上で役立つ、システム障害にまつわる3つの参考事例も挙げられています。クラウド/ホスティングサービス利用者として、被害に遭うことを想定し対策を講じることは重要な施策です。そうした意味で基礎知識を得るのに最適なテキストといえるでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 双日テックイノベーション株式会社

事例に学ぶ、ワークスタイルに合わせたコミュニケーションツール刷新の取り組み

コミュニケーションツールを時代の要請や社員のニーズに合わせて進化させることは、重要な取り組みとなっている。本資料では、Web会議ツールを軸とする定番プラットフォームのソリューションをフル活用した企業の事例を紹介する。

製品資料 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

クラウドへの移行を成功させるには? 4つのフェーズのフレームワークを解説

生成AIの導入や業務の俊敏化を背景に、クラウドへの移行を進める企業が増えている。しかし、大量のデータが含まれる既存のワークロードの移行には、慎重な計画が必要だ。本資料では、4つのフェーズに基づき、移行成功の要点を解説する。

製品資料 SUSE ソフトウエア ソリューションズ ジャパン株式会社

複雑化を競争優位性に転換する、マルチLinux戦略の運用ガイド

技術が発展し、ユーザーニーズが多様化する中で、多くの企業は単一Linuxディストリビューションによる運用から、複数プラットフォームの運用にシフトしている。一方で課題も顕在化しており、この混在環境とどう向き合うかが問われている。

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

リスク管理やコンプライアンス対応の成熟度を高める、最新化フレームワークとは

リスク管理やコンプライアンス対応の取り組みを進めることは、多くの企業にとって重要だ。しかし、どのような手順で取り組みを進めればよいのか分からないという声も多い。そこで本資料では、5つのステップに分けて、詳しく解説する。

事例 ServiceNow Japan合同会社

Uberなど10組織の事例に見る、「リスク&コンプライアンス管理」の実践法と効果

昨今、リスクおよびコンプライアンス管理業務の重要性が高まっているが、現状では多くの組織で成果を挙げられていない。Uberでは、ある統合リスク管理ソリューションを導入し、課題解決を図った。同社をはじめ10組織の事例を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...